軽天とは?プロが徹底解説!種類・DIY・費用相場・施工方法まとめ

軽天とは?基礎知識を徹底解説

「軽天(けいてん)」という言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。

軽天とは、建物の天井や壁の内部に使われる、軽量な金属製の骨組みのことです。

建物の内装を仕上げる上で、軽天は非常に重要な役割を果たしています。

軽天の定義と役割

軽天は、「軽量鉄骨天井下地」を略した言葉で、「LGS(Light Gauge Steel)」と呼ばれることもあります。

役割:

・天井や壁の骨組みを支える

・内装材(石膏ボードなど)を固定する

・電気配線や設備を設置するためのスペースを作る

軽天の種類(天井下地、壁下地)

軽天は、主に天井下地と壁下地の2種類に分けられます。

①天井下地:

・天井材(石膏ボードなど)を支える骨組み

・軽量で施工性が高い

・種類:

(1)軽量天井材: ロックウールやグラスウールなどを組み合わせたもの

(2)システム天井: あらかじめ工場で組み立てられたもの

②壁下地:

・壁材(石膏ボードなど)を支える骨組み

・間仕切り壁を作る際に使用される

・種類:

(1)軽量間仕切り壁: スタッド(柱)とランナー(上下の枠)を組み合わせたもの

(2)スタッド: 壁の柱となる部材

軽天の部材と名称

軽天は、様々な部材で構成されています。代表的な部材とその名称は以下の通りです。

天井下地:

・野縁(のぶち): 天井材を直接取り付ける部材

・野縁受け(のぶちうけ): 野縁を支える部材

・吊りボルト: 天井下地を吊り下げるためのボルト

壁下地:

・スタッド: 壁の柱となる部材

・ランナー: スタッドを上下で固定する部材

これらの部材を組み合わせることで、軽くて丈夫な骨組みを作ることができます。

軽天の種類と特徴|用途に合わせて選ぶ

軽天は、建物の天井や壁の内部に使われる骨組みであり、その種類は多岐にわたります。

適切な軽天材を選ぶことで、建物の強度や耐久性、快適性を高めることができます。

ここでは、軽天の種類と特徴、そして用途に合わせた選び方について解説します。

天井下地

天井下地は、天井材(石膏ボードなど)を支える骨組みです。

軽量で施工性が高く、様々なデザインの天井に対応できます。

主な種類:

①軽量天井材:

・ロックウールやグラスウールなどを組み合わせたもの

・断熱性、吸音性に優れる

・一般的な天井に広く使われる

②システム天井:

・あらかじめ工場で組み立てられたもの

・施工が容易で工期短縮に貢献

・オフィスや商業施設でよく用いられる

壁下地

壁下地は、壁材(石膏ボードなど)を支える骨組みです。

間仕切り壁を作る際に使用され、軽量で加工しやすいのが特徴です。

主な種類:

①軽量間仕切り壁:

・スタッド(柱)とランナー(上下の枠)を組み合わせたもの

・自由な間取り設計が可能

・オフィスや商業施設の間仕切り壁として多用される

②スタッド:

・壁の柱となる部材

・軽量で扱いやすい

・壁の強度や安定性を高める

その他

上記以外にも、特殊な場所に使われる軽天材があります。

①耐火壁下地:

・耐火性能が求められる場所に用いられる

・石膏ボードと組み合わせることで耐火壁を構成

②遮音壁下地:

・遮音性能が求められる場所に用いられる

・吸音材や遮音シートと組み合わせることで遮音壁を構成

用途に合わせて選ぶ

軽天材を選ぶ際は、以下の点を考慮しましょう。

・場所: 天井、壁、間仕切りなど、使用する場所に合わせて種類を選ぶ

・機能: 断熱性、遮音性、耐火性など、必要な機能を考慮する

・強度: 壁の強度や支持する重量などを考慮する

・デザイン: 天井や壁の仕上がりイメージに合わせて選ぶ

・コスト: 材料費や施工費などを考慮する

軽天DIYに挑戦!施工方法と注意点

DIYで軽天工事に挑戦したい方もいるかもしれません。

専門業者に依頼するよりも費用を抑えられる可能性がありますが、専門的な知識や技術が必要となるため、注意が必要です。

ここでは、軽天DIYのメリット・デメリット、必要な道具と材料、施工手順、そして安全上の注意点について解説します。

軽天DIYのメリット・デメリット

DIYで軽天工事を行う場合、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット:

①費用を抑えられる:

専門業者に依頼するよりも、材料費だけで済むため、費用を大幅に抑えることができます。

②自分のペースで作業できる:

業者に依頼する場合と異なり、自分のペースで作業を進めることができます。

③達成感を味わえる:

自分で軽天工事を完成させることで、大きな達成感を味わうことができます。

デメリット:

①専門的な知識や技術が必要:

軽天工事には、専門的な知識や技術が求められます。

また、知識や技術が不足していると、失敗のリスクが高まります。

②時間と手間がかかる:

軽天工事には、時間と手間がかかります。

特に、DIY初心者の方にとっては、想像以上に時間がかかる可能性があります。

③失敗のリスクがある:

知識や技術が不足していると、施工不良や怪我のリスクが高まります。

また、材料の無駄遣いにもつながる可能性があります。

必要な道具と材料

軽天DIYに必要な道具と材料は、以下の通りです。

道具:

①軽天材:

・天井下地: 野縁、野縁受け、吊りボルトなど

・壁下地: スタッド、ランナーなど

②石膏ボード:

・天井材、壁材として使用

③ビス:

・軽天材や石膏ボードを固定

④ドライバー:

・ビスを締め付ける

⑤カッター:

・石膏ボードを切断

⑥墨出し器:

・軽天材の設置位置を正確に決める

⑦水平器:

軽天材が水平に設置されているか確認

材料:

・接着剤

・パテ

・養生テープ

・その他、必要に応じて

施工手順(天井、壁)

軽天工事の施工手順は、天井と壁で異なります。

ここでは、一般的な施工手順を簡単に説明します。

天井:

(1)墨出し:

天井の基準線を墨出し器で引く

(2)野縁受けの設置:

壁際に野縁受けをビスで固定

(3)吊りボルトの設置:

天井から吊りボルトを垂らす

(4)野縁の設置:

野縁受けに野縁を差し込み、吊りボルトで固定

(5)石膏ボードの取り付け:

野縁に石膏ボードをビスで固定

壁:

(1)墨出し:

壁の基準線を墨出し器で引く

(2)ランナーの設置:

床と天井にランナーをビスで固定

(3)スタッドの設置:

ランナーにスタッドを差し込み、ビスで固定

(4)石膏ボードの取り付け:

スタッドに石膏ボードをビスで固定

安全上の注意点

軽天DIYを行う際は、以下の安全上の注意点を守りましょう。

高所作業:

・脚立や足場を安定した場所に設置する

・安全帯を着用する

・作業場所に落下物を置かない

保護具:

・作業中は、安全メガネや軍手などの保護具を必ず着用する。

電気配線:

・電気配線がある場所での作業は、事前に電気を遮断し、電気工事士の資格を持つ人に依頼する。

その他

・無理な作業はせず、休憩を挟みながら行う。

・できるだけ二人以上で作業を行う。

軽天工事の費用相場|DIY vs 業者依頼

軽天工事を検討する際、気になるのが費用ですよね。

DIYで行うか、業者に依頼するかによって、費用は大きく異なります。

ここでは、軽天工事の費用相場と、DIYで費用を抑えるコツ、業者に依頼する場合の注意点について解説します。

材料費の相場

軽天工事に必要な材料費は、軽天材の種類や量、石膏ボードのサイズなどによって異なります。

目安:

・天井下地: 1平方メートルあたり約500円〜1,500円

・壁下地: 1平方メートルあたり約800円〜2,000円

・石膏ボード: 1枚あたり約1,000円〜3,000円

上記の価格はあくまで目安であり、実際には材料の種類や購入量によって変動します。

施工費の相場

業者に軽天工事を依頼する場合、施工費は施工面積や作業内容によって異なります。

目安:

・天井下地: 1平方メートルあたり約3,000円〜8,000円

・壁下地: 1平方メートルあたり約4,000円〜10,000円

上記の価格はあくまで目安であり、実際には業者の料金体系や地域によって変動します。

DIYで費用を抑えるコツ

DIYで軽天工事を行う場合、材料費のみで済むため、費用を大幅に抑えることができます。

さらに、以下のコツを実践することで、より費用を抑えることが可能です。

①複数の業者から見積もりを取る:

複数の業者から見積もりを取り、価格を比較検討しましょう。

②材料をまとめ買いする:

まとめ買いすることで、材料費を割引してもらえる場合があります。

③不要な部材を減らす:

事前に必要な材料を計算し、無駄な部材を購入しないようにしましょう。

④自分でできる作業は自分で行う:

運搬や簡単な作業は自分で行うことで、人件費を抑えることができます。

業者に依頼する場合の注意点

業者に軽天工事を依頼する場合は、以下の点に注意しましょう。

①複数の業者から見積もりを取る:

複数の業者から見積もりを取り、価格やサービス内容を比較検討しましょう。

②実績や評判を確認する:

過去の施工事例や口コミなどを参考に、業者の実績や評判を確認しましょう。

③資格や許可を確認する:

軽天工事に必要な資格や許可を持っているか確認しましょう。

④保証内容を確認する:

施工後の保証内容やアフターフォローについて確認しましょう。

軽天のメンテナンスと修理|長く使うために

軽天は、建物の天井や壁の内部に使われる重要な骨組みであり、適切なメンテナンスを行うことで、より長く安全に使用することができます。

ここでは、軽天のメンテナンスと修理について解説します。

日常的なメンテナンス

軽天の日常的なメンテナンスとしては、以下の点に注意しましょう。

①定期的な清掃:

天井や壁の表面を定期的に清掃し、埃や汚れを取り除く。

特に、湿気が多い場所や油汚れが付着しやすい場所は、こまめな清掃が重要です。

②換気:

湿気がこもらないように、定期的に換気を行う。

特に、浴室やキッチンなど、湿気が多い場所は換気を徹底しましょう。

③水漏れチェック:

天井や壁に水漏れの跡がないか定期的に確認する。

水漏れを発見した場合は、早めに原因を特定し、修理を行う。

定期的な点検

定期的に専門業者に依頼して、軽天の状態を点検してもらうことをおすすめします。

専門業者は、軽天の劣化状況や不具合箇所を的確に判断し、適切なメンテナンスや修理の提案をしてくれます。

修理

軽天に破損や不具合が見つかった場合は、早めに修理を行うことが重要です。

①軽微な破損の場合:

DIYで修理できる場合もあります。
ただし、専門的な知識や技術が必要となる場合もあるため、自信がない場合は専門業者に依頼しましょう。

②大規模な破損の場合:

専門業者に依頼して修理を行うことをおすすめします。

注意点

・軽天のメンテナンスや修理は、高所作業となる場合があります。安全対策をしっかりと行いましょう。

・電気配線などがある場所での作業は、事前に電気を遮断し、電気工事士の資格を持つ人に依頼しましょう。

・軽天の耐荷重を超えないように注意しましょう。

・専門業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。

軽天に関するよくある質問(FAQ)

軽天工事について、お客様からよくいただく質問をまとめました。

軽天の耐荷重は?

軽天の耐荷重は、使用する材料や施工方法によって異なります。

一般的には、天井下地の場合、1平方メートルあたり約10kg程度が目安とされています。

ただし、重量物を吊り下げる場合は、事前に専門業者に相談し、適切な強度を持つ軽天材を選ぶ必要があります。

軽天の防音性は?

軽天自体には、高い防音性はありません。

しかし、石膏ボードや吸音材などと組み合わせることで、一定の遮音効果を得ることができます。

防音性を高めたい場合は、専門業者に相談し、適切な材料や施工方法を検討しましょう。

DIYで軽天工事はどこまでできる?

DIYで軽天工事ができる範囲は、ご自身のスキルや経験によって異なります。

簡単な作業であれば、DIYで行うことも可能ですが、複雑な作業や高所作業は、専門業者に依頼することをおすすめします。

DIYで軽天工事を行う場合は、安全対策をしっかりと行い、無理のない範囲で作業しましょう。

軽天工事の業者選びのポイントは?

軽天工事を業者に依頼する場合は、以下のポイントを参考に業者を選びましょう。

・実績と評判: 過去の施工事例や口コミなどを確認し、実績と評判の良い業者を選びましょう。

・資格と許可: 軽天工事に必要な資格や許可を持っているか確認しましょう。

・見積もり内容: 複数の業者から見積もりを取り、価格やサービス内容を比較検討しましょう。

・保証内容: 施工後の保証内容やアフターフォローについて確認しましょう。

・担当者の対応: 担当者の対応が丁寧で、質問に丁寧に答えてくれるか確認しましょう。

軽天工事の費用相場は?

軽天工事の費用相場は、施工面積や作業内容、使用する材料によって異なります。

目安:

・天井下地: 1平方メートルあたり約3,000円〜8,000円

・壁下地: 1平方メートルあたり約4,000円〜10,000円

上記の価格はあくまで目安であり、実際には業者の料金体系や地域によって変動します。
正確な費用を知りたい場合は、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

軽天の耐用年数は?

軽天の耐用年数は、使用環境やメンテナンス状況によって異なりますが、一般的には10年〜15年程度とされています。

定期的なメンテナンスを行うことで、より長く使用することができます。

まとめ

この記事では、軽天の基礎知識から、種類、施工方法、費用相場、メンテナンス、そしてよくある質問まで、幅広く解説してきました。
みなさまの軽天に関する情報収集の一助となれば幸いです。

軽天に関してご不明な点等ございましたら、お気軽に株式会社ベータまでお問い合わせください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

森 卓也

森 卓也

㈱ベータ取締役。
平成元年生まれ。三重県亀山市出身。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。
大学院在学中に不動産管理法人を設立し、20代で不動産オーナーに。
大学院(MBA)や不動産オーナーの経験を活かし、リフォーム費用を抑えるコツや信頼できる業者選びの秘訣など、リフォームに関して有益な情報を発信。

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