マンション水回り移動は可能?費用相場と制約条件を徹底解説

マンション水回り移動は可能?費用相場と制約条件を徹底解説

「キッチンを対面にしたい」「浴室を広くしたい」など、暮らしやすさを追求して水回りの位置を変えたいと考える方は少なくありません。
しかし、マンションでは戸建てと違い、構造上の制約や管理規約の影響で水回りの移動が難しいケースもあるため、事前の確認が非常に重要です。

本記事では、マンションで水回りを移動できるのかどうかを判断するためのポイントや、キッチン・浴室・トイレなどの移動にかかる費用相場、施工時の注意点や制約条件について詳しく解説します。
これからリフォームを検討する方にとって、後悔しない計画を立てるための実用的な情報をお届けします!

目次

マンション水回り移動リフォームの基礎知識

マンション水回り移動リフォームの基礎知識

水回りの位置を変えるリフォームは、間取り変更や生活動線の改善に大きく貢献します。
しかし、マンション特有の構造や規約により、必ずしも自由に移動できるわけではありません。

ここでは、マンションにおける水回り移動リフォームの基本知識をわかりやすく解説します。

マンションで水回り移動は可能か?

一戸建てとマンションの配管構造の違い

一戸建てでは比較的自由に水回りの位置を変更できますが、マンションでは構造的な制約が大きく影響します。
最大の違いは「配管の自由度」にあります。

一戸建ては床下や天井裏に配管スペースが確保されており、排水勾配も取りやすいため、キッチンやトイレなどの位置を大きく変えることが可能です。
一方、マンションでは上下階とつながる共用の配管ルートが決まっており、勾配を取るためのスペースも限られています。

移動可能なケースと移動困難なケース

マンションでも、一定条件を満たせば水回りの移動は可能です。
たとえば、床下にある程度の配管スペース(配管ピット)がある物件や、床上に新たな排水経路を設けられる場合には、キッチンや洗面台、トイレの位置変更が実現できることもあります。

しかし、床がコンクリートスラブ直貼り構造の場合や、配管の長さや勾配が確保できない場合は、移動が難しくなります。
特にトイレは勾配と通気の制約が厳しいため、移動範囲が限られるケースが多く見られます。

水回り移動が制限される理由

管理規約による制約と専有部分・共用部分の区別

マンションでは、各住戸の所有者が自由に変更できるのは「専有部分」のみです。
配管の一部や床下の構造体などは「共用部分」に該当し、勝手な工事はできません。

また、多くのマンションでは管理規約により水回りの位置変更を制限している場合もあります。
工事を始める前に、管理組合への申請と承認が必要になるため、事前の確認が不可欠です。

床スラブ下配管と床スラブ上配管の違い

水回り移動の可否を左右する大きな要素が「配管の通り方」です。

  • 床スラブ下配管(埋設配管)
     床下のコンクリートスラブの下に配管されており、移動にはスラブに穴を開ける必要がありますが、これは共用部分のため原則禁止されています。
  • 床スラブ上配管(二重床・配管ピット)
     床の仕上げ面とスラブの間に空間があり、そこに配管されているため、比較的自由度が高く、移動可能な場合もあります。

水回り移動リフォームを検討する際は、自宅の配管方式がどちらなのかをまず把握することが重要です。

マンション水回り移動の制約条件と事前確認事項

マンション水回り移動の制約条件と事前確認事項

水回りを移動するリフォームは、間取りの自由度を広げる反面、技術的・構造的なハードルも高くなります。
工事を計画する前に、移動可能かどうかを判断するためのチェックポイントと、配管の状態に関する知識をしっかり押さえておきましょう。

必須チェックポイント5項目

管理規約で水回り移動が禁止されていないか

マンションでは、専有部分であっても工事に関する一定の制限が管理規約に定められています。
中でも、水回りの位置変更は「禁止」または「要事前承認」とされていることが少なくありません。

工事前には、必ず管理組合に確認を取り、事前申請と承認の有無を確認しましょう。

床スラブ下配管か床スラブ上配管かの確認

配管の方式は、水回りの移動範囲に直結します。床スラブ下配管(埋設型)の場合、排水経路の変更が極めて難しく、基本的に現状位置から大きく移動することはできません。
一方、床スラブ上配管(二重床・配管ピット型)であれば、床上に配管を通すことができるため、ある程度自由な位置変更が可能です。
リフォーム前には図面や現地調査で配管経路を把握しましょう。

既存配管の劣化状況と材質の調査

水回りの移動に伴い、既存の配管の延長や接続が必要になります。
そのため、現在の配管がどのような材質で、どの程度劣化しているかを確認しておくことが重要です。

老朽化した配管をそのまま使用すると、水漏れや詰まりのリスクが高まります。
場合によっては、移動に合わせて配管の交換を検討することも必要です。

適切な排水勾配を確保できるかの検証

排水管は、自然な流れで排水を促すために一定の勾配が必要です。
この勾配を取るためのスペースがなければ、排水の流れが悪くなり、臭いや詰まりの原因になります。

特にキッチンやトイレの排水管は長距離を移動させる場合、勾配確保が難しくなるため、移動距離と高さのバランスを慎重に検討する必要があります。

換気ダクトの移動ルートと構造的制約

キッチンやトイレ、浴室などの水回り設備には、換気ダクトが設けられています。
これらのダクトも移動する必要があり、梁や柱などの構造体を避けてルートを確保しなければなりません。

移動先で排気が十分にできるか、外壁面へのダクト接続が可能かなども含めて確認が必要です。

配管の材質と寿命による影響

築年数別の配管材質と交換の必要性

マンションの配管材質は築年数によって異なり、それぞれ耐用年数も違います。

  • 築30年以上:鉄管(亜鉛メッキ鋼管)を使用しているケースが多く、腐食や赤水の原因になります。
  • 築20〜30年程度:銅管や硬質塩ビ管(VP管)が主流ですが、劣化やピンホールによる水漏れが発生しやすくなります。
  • 築20年未満:樹脂系の配管(ポリエチレン管・架橋ポリエチレン管)が多く、比較的長寿命で耐食性も高いです。

水回りの移動を行う際は、配管材の種類に応じた寿命を見極め、必要に応じて配管ごと更新することが望ましいです。

水漏れリスクと水質汚染の防止策

老朽化した配管のまま移動リフォームを行うと、接続部の緩みや腐食による水漏れが起きるリスクが高まります。
また、内部のサビや汚れが水質を悪化させる可能性もあります。

そのため、施工時には止水処理や断熱措置の徹底、配管の圧力テストなどの対策を講じ、見えない部分まで確実に仕上げることが大切です。
特に、床下や壁内に隠れる部分はリフォーム後に修理が困難になるため、慎重な施工管理が求められます。

水回り別の移動費用相場と工事内容

水回り別の移動費用相場と工事内容

水回りの移動リフォームは、設備の種類ごとに工事内容や費用相場が異なります。
また、配管の長さや勾配確保の難易度、設備のグレードによっても金額に幅があります。

ここでは、キッチン・浴室・トイレ・洗面台の移動費用と、その工事内容を具体的にご紹介します。

キッチン・浴室の移動費用

キッチン移動(40~90万円)の工事内容と注意点

キッチンの移動には、給排水配管の延長・新設、換気ダクトの移設、電気配線の変更など多くの工程が発生します。
アイランドキッチンなどのオープンスタイルへ変更する場合は、さらに床補強やレンジフードダクトの新設が必要となり、費用が上がる傾向にあります。

特に注意すべきは排水勾配とダクト経路です。十分な勾配が取れないと排水不良や臭気の逆流が発生する恐れがあります。
工事前には、構造上の制約を十分に確認しましょう。

浴室移動(70~100万円)の基本工事と追加費用

浴室の移動は、防水処理や排水配管の新設、換気・給湯の配管工事が必要になるため、費用が高額になりやすい箇所です。
ユニットバスの再設置には解体・組立費用が含まれ、防水施工のやり直しも必須です。

また、梁や柱などの構造体の影響で設置可能なサイズや向きが限定されるケースもあります。
換気扇の排気ルート変更が必要な場合は、ダクト延長分の追加費用がかかる点にも注意が必要です。

トイレ・洗面台の移動費用

トイレ移動(30~50万円)と排水勾配の重要性

トイレは、排水管の太さや勾配確保がシビアなため、移動距離が長いほど難易度が高くなります。
特にマンションでは、床下スペースが限られるため、大幅な移動が困難な場合もあることを認識しておきましょう。

基本工事には、便器の脱着、配管の延長、床や壁の補修などが含まれます。
配管ルートや接続方法によっては、防音処理などの追加工事費が発生するケースもあります。

洗面台移動(20~30万円)と配管延長工事

洗面台の移動は比較的容易で、費用も安価に抑えやすいです。
主な工事内容は、給排水の延長、洗面化粧台の再設置、床・壁仕上げの補修などです。

ただし、長距離移動になると排水ルートの勾配確保が難しくなり、トラップの機能低下や排水詰まりのリスクがあるため注意が必要です。
排水音対策や断熱処理も同時に行うことで、使用感がより快適になります。

費用を抑える方法と工事のタイミング

スケルトンリノベーションとの同時施工メリット

水回りの移動工事は、スケルトンリノベーション(全面改装)と同時に行うことで効率化できます。
すでに床や壁を解体している状態であれば、配管工事や設備移設がしやすく、個別施工に比べて人件費や諸経費を抑えることが可能です。

また、間取り全体の見直しと一体で設計できるため、動線改善や収納の最適化にもつながります。

配管全体の更新と長期的なコスト効果

築年数が20年以上経過しているマンションでは、既存配管の老朽化が進んでいるケースが多く見られます。
このタイミングで水回りの移動を行うなら、配管全体を一新しておくことで、将来的な漏水リスクや修理コストの削減につながります

特に、鋼管や古い銅管が使われている場合は、水質の悪化や赤水の発生リスクもあるため、更新を前提としたリフォーム計画がおすすめです。

東海エリアのマンションリフォームはベータにお任せください!

株式会社ベータ

マンションリフォームは、物件ごとの構造や管理規約など、地域や建物に精通した専門知識が不可欠です。
ベータは東海エリア(愛知・岐阜・三重など)に特化したマンションリフォームの専門会社として、これまで数多くの施工実績を重ねてきました。

水回りの移動や間取り変更、スケルトンリノベーションまで、お客様の理想の住まいを形にするためのご提案と丁寧な施工を大切にしています。
現地調査や管理組合とのやり取り、近隣への配慮なども含め、地域密着だからこそできるきめ細やかな対応をお約束します。

東海エリアで「どこに頼めばいいかわからない」「難しい工事も相談したい」とお考えの方は、まずはお気軽にベータへご相談ください
経験豊富なリフォームアドバイザーが、お客様の住まいの課題に最適な解決策をご提案いたします。

まとめ

まとめ

マンションの水回り移動リフォームは、空間の使い勝手を大きく改善できる魅力的な工事ですが、構造的・規約的な制約が多く、十分な事前確認と専門的な知識が必要です。
キッチンや浴室、トイレなどの設備ごとに移動の難易度や費用相場が異なり、配管や排水勾配、換気経路などへの配慮も欠かせません。

移動可能かどうかの判断には、配管方式・管理規約・築年数に応じた劣化状況などを総合的にチェックすることが重要です。
費用を抑えるには、スケルトンリノベーションとの同時施工や、配管全体の更新を視野に入れると、長期的に安心・快適な住まいを実現できます。

リフォームを成功させるには、専門知識を持つ信頼できる業者選びが何よりも大切です。
マンション特有の制約を理解したうえで、最適なプランを提案してくれるパートナーとともに、理想の住まいづくりを進めましょう!

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この記事を書いた人

森 卓也

森 卓也

㈱ベータ取締役。
平成元年生まれ。三重県亀山市出身。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。
大学院在学中に不動産管理法人を設立し、20代で不動産オーナーに。
大学院(MBA)や不動産オーナーの経験を活かし、リフォーム費用を抑えるコツや信頼できる業者選びの秘訣など、リフォームに関して有益な情報を発信。

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