中古マンション浴室リフォーム費用・工期・失敗回避術完全版

中古マンションを購入したり、長年住み続けてきた住まいを快適に使い続けるために、浴室リフォームを検討する方は少なくありません。特にユニットバスは築年数とともに劣化が目立ちやすく、「交換のタイミング」や「費用相場」「工期」が気になるポイントです。
ただし、マンション特有の制約や見落としがちな準備不足によって、「思った以上に費用がかかった」「工期が延びた」「希望通りのサイズが入らなかった」といった失敗につながるケースもあります。
この記事では、中古マンションの浴室リフォームにおける費用帯や工期の全体像、注意すべき管理規約やサイズ選び、トラブルを避ける実務的なコツまでを徹底解説。初めての方でも安心して進められる「完全版ガイド」としてまとめました。
リフォームで後悔しないために、ぜひ最後までご覧ください!
目次
費用相場と工期の全体像をつかむ

浴室リフォームは工事内容によって費用も工期も大きく変わります。全体像を把握しておくことで、無理のない予算計画と生活スケジュールが立てやすくなるのがポイントです。ここでは、代表的な工事ごとの費用帯と工期の目安を解説します。
内容別の費用帯と内訳
リフォーム費用は「フルリフォーム」か「部分リフォーム」かで大きく変わります。それぞれに含まれる工事項目を知っておくと、見積もりの比較がスムーズです。
ユニットバス交換/在来→UB化の相場と何が含まれるか
ユニットバスの入れ替えは、標準サイズで80万~150万円程度が目安です。在来工法からユニットバスへ変更する場合は、解体・下地補修・給排水工事・電気工事・本体設置・仕上げが含まれ、100万~200万円になるケースも少なくありません。
部分リフォーム(壁・床・浴槽・換気乾燥機・追い焚き等)の目安
部分リフォームの場合は工事項目ごとに費用が異なります。
- 浴槽交換:約20万~50万円
- 壁・床パネル張替え:約10万~40万円
- 換気乾燥機取付:約10万~20万円
- 追い焚き機能追加:約20万~40万円
劣化度合いや配管工事の有無で変動するため、現地調査が必須です。
工期の考え方と生活影響
浴室リフォームは「何日お風呂が使えないか」が生活に直結します。事前に工期を理解しておくことで、仮住まいや銭湯利用などの備えができます。
UB交換の標準スケジュール(解体→配管→設置→仕上げ)
一般的なユニットバス交換の流れは以下の通りです。
- 解体・撤去(1日)
- 配管・下地工事(1日)
- ユニットバス組立(1日)
- 仕上げ・電気接続・清掃(1日)
合計4~5日程度で完成するのが標準的なスケジュールです。
短期で終えるコツ(事前発注・管理申請・養生計画・工事時間帯)
工期を短縮するには以下がポイントです。
- 仕様・カラーは早めに決定し、資材を事前発注しておく
- マンションの場合は管理組合への工事申請を前倒しで行う
- 廊下やエレベーターなどの養生計画を業者と確認しておく
- 工事時間帯を明確にし、近隣トラブルを防止する
これらを徹底することで、予定通りの完成がぐっと近づきます。
商品・サイズ選びで後悔しない

浴室リフォームで失敗しがちなポイントが「商品・サイズ選び」です。設置可能サイズを正しく把握し、必要な仕様に優先順位をつけることが、快適で長持ちする浴室づくりの秘訣です。
中古マンションに多い規格と“入替え可否”の見極め
マンションの場合、既存のユニットバスのサイズや建物構造が制約になります。入替え可能かどうかを見極めるための基本知識を押さえておきましょう。
UBサイズ表記(1116/1216/1317/1418/1616…)と内寸/外寸の違い
ユニットバスのサイズは「1116(幅1100×奥行1600mm)」のように表記されます。ここで注意すべきは、サイズは“外寸”基準であり、実際の浴室内の広さ(内寸)は一回り小さくなるという点です。狭さを感じやすいマンションでは、外寸と内寸の差を理解して商品を選ぶことが重要です。
梁欠き・ドア位置・天井高・搬入経路(EV/階段)のチェックリスト
サイズだけでなく、以下の条件も工事可否に大きく関わります。
- 梁欠きの有無:梁をよけるために特注仕様が必要になるケースあり
- ドア位置:洗面所との取り合いで開閉に支障が出る場合がある
- 天井高:既存より低くなる場合もあるので要確認
- 搬入経路:エレベーターや階段の幅に収まらないと搬入不可
こうした条件を事前に確認しておくと、「選んだのに入らない」という後悔を防げます。
快適性と清掃性を左右する仕様
ユニットバスは見た目以上に「仕様の違い」で使い心地が変わります。標準仕様とオプションを上手に組み合わせるのがポイントです。
標準仕様で見るべき指標(保温浴槽・断熱床・カビにくいパネル・フラットドア)
最近のユニットバスには、標準仕様でも快適性を高める工夫があります。
- 保温浴槽:お湯が冷めにくく光熱費を節約
- 断熱床:冬場のヒヤッと感を軽減
- カビにくいパネル:掃除の手間を減らせる
- フラットドア:段差が少なく、出入りが安全
「最低限これだけは欲しい」という基準を持って選ぶと、失敗しにくくなります。
オプションの優先順位(浴室乾燥機・高断熱窓内窓・手すり・大型鏡・照明)
オプションは欲しいものをすべて入れると予算が膨らみます。生活スタイルに合わせて優先順位をつけるのがおすすめです。
- 浴室乾燥機 → 洗濯物を干す習慣があるなら必須
- 高断熱窓/内窓 → 冬場の寒さ対策に有効
- 手すり → 高齢の家族や将来の安全対策に
- 大型鏡 → 広く見せたい場合に効果的
- 照明 → 調色・調光機能で雰囲気づくりも可能
「今の不満を解決できるか?」を基準に選ぶと、満足度の高い浴室になります。
マンションならではの注意点

浴室リフォームは戸建てと違い、マンションならではの制約が数多く存在します。管理規約や共用部のルール、建物構造の制限を理解しておくことが、スムーズなリフォーム成功のカギです。ここでは特に注意したいポイントを整理します。
管理規約&共用部ルール
工事は住戸内だけで完結しません。マンション全体のルールを踏まえた計画が不可欠です。
騒音・作業時間・搬出入経路・共有部養生・申請書類の基本
マンションでは以下のような規制が一般的です。
- 騒音・作業時間:平日昼間のみなど、時間制限がある
- 搬出入経路:エレベーター利用制限や台車使用のルールあり
- 共有部養生:廊下やエレベーターを傷つけないための養生必須
- 申請書類:工事届や図面の提出が必要な場合が多い
これらを事前に管理組合へ確認・申請することで、着工遅れを防げます。
給湯器・追い焚きの制約(PS位置・配管経路・機種交換の可否)
給湯設備にも制限があり、リフォーム計画に直結します。
- PS(パイプスペース)位置:給湯器を移動できないケースが多い
- 配管経路:既存の追い焚き配管が制約になる場合あり
- 機種交換の可否:管理規約で特定機種しか使えないケースもある
そのため、浴室だけでなく給湯器の更新時期も合わせて検討すると安心です。
レイアウト変更と“広くする”発想
限られた空間でも工夫次第で「体感的に広い浴室」に変えることができます。ただし、建物構造上できないケースもあるため、事前確認が重要です。
リモデル対応UB/薄型配管で実内寸を広げる手法
近年は、既存スペースに合わせて設計された「リモデル対応ユニットバス」が普及しています。梁欠きや配管位置に対応でき、実寸を最大限に活用可能です。また、薄型配管を採用することで、数センチでも内寸を広げる工法もあります。
洗面室側での微調整・建物構造上NGになりやすいケース
浴室を広げるために洗面室を少し狭める方法もあります。ただし、
- 構造壁の移動が絡む場合
- 排水勾配が確保できない場合
- 共用部に干渉する場合
は工事不可となる可能性が高いため、必ず専門業者の現地調査が必要です。
費用を抑えつつ満足度を上げるコツ

浴室リフォームは金額が大きくなりやすいため、予算を抑えながらも「やってよかった」と思える仕上がりにする工夫が大切です。ここでは、見積もりの取り方から仕様の選び方まで、満足度を高めるポイントをご紹介します。
見積もり・会社選びの要点
見積もりや施工会社の選定で失敗すると、余計な出費や後悔につながります。「項目の抜け漏れがないか」「同条件で比較できているか」を必ず確認しましょう。
本体・施工・電気/給排水・廃材処理の“抜け漏れ”確認ポイント
見積もりに含まれるべき代表的な項目は以下の通りです。
- 本体価格(ユニットバスやオプション機器)
- 施工費(解体・組立・仕上げ)
- 電気・給排水工事費(換気扇・追い焚き・配線など)
- 廃材処理・搬出費用
これらが一式価格に含まれているか、別途なのかを確認しないと、後から追加費用が発生しやすくなります。
同等グレード比較(メーカー横断)と在庫・納期の確認
複数メーカーの同等グレードで比較することで、価格差や標準仕様の違いが見えやすくなります。また、在庫や納期の違いが工期や費用に影響するため、事前確認は必須です。
チューニングで体感を上げる
フルオプションにすると費用が膨らみますが、体感満足度を上げやすいコスパの良い選び方があります。
清掃性&快適性に効く“コスパ良”オプションの組み合わせ例
おすすめは以下のような組み合わせです。
- カビにくい壁パネル+換気乾燥機 → 掃除の手間を削減
- 断熱床+保温浴槽 → 光熱費を抑えつつ冬でも快適
- フラットドア+手すり → 安全性と将来性を確保
「毎日の使いやすさ」に直結するものを優先すると、コスト以上の満足感が得られます。
ランニングコスト視点(断熱・乾燥機・LED・節湯水栓)
初期費用だけでなく、ランニングコスト削減効果がある仕様も賢い選択です。
- 断熱仕様 → 冷めにくく追い焚き回数が減る
- 浴室乾燥機(高効率タイプ) → 部屋干しにも活用できる
- LED照明 → 電気代を抑えつつ長寿命
- 節湯水栓 → 水道光熱費をダイレクトに削減
将来的な光熱費やメンテナンス費用まで考えると、結果的に「コストパフォーマンスが高いリフォーム」になります。
安全・バリアフリーとメンテ設計

浴室は事故が起こりやすく、カビや結露といったメンテナンスの負担も大きい場所です。リフォームの段階で「安全」と「お手入れのしやすさ」を織り込むことで、将来も安心して快適に使える空間にできます。
将来対応の下地と手すり計画
高齢化や家族構成の変化を見据えて、リフォーム時に手すりや段差解消の準備をしておくと安心です。
I型/L型手すりの配置と下地補強の入れ方
手すりは浴槽への出入り部分や洗い場の立ち座り位置に設置するのが基本です。
- I型手すり:縦方向で立ち上がりや姿勢保持に有効
- L型手すり:立ち座りと移動の両方をサポート
将来追加する場合でも困らないよう、壁の内部に合板下地をあらかじめ入れておくのがおすすめです。
段差解消・ノンスリップ床・開き戸→引き戸の選択
浴室出入口の段差は転倒リスクにつながります。段差をなくす/滑りにくい床材を採用する/開き戸から引き戸へ変更するといった工夫で、事故リスクを大幅に減らせます。
換気・結露・カビ対策
「掃除が大変」「カビがすぐ生える」といった悩みを解決するには、換気計画と素材選びが重要です。
換気量・24時間換気・ランドリーパイプの活用
浴室の湿気対策には十分な換気量を確保することが第一です。
- 24時間換気システムを活用すれば、結露やカビの発生を抑制
- ランドリーパイプ+換気乾燥機を組み合わせれば、部屋干しスペースとしても活用可能
湿気をためない仕組みづくりが、清潔な浴室を長持ちさせます。
天井/壁パネル・防カビ材・清掃ルーティン設計
素材の選び方もメンテナンス性を左右します。
- 防カビ仕様の壁・天井パネルを採用する
- 水切れのよい形状を選ぶことで掃除がラクになる
- 毎日のシャワー後に水滴を拭き取る習慣を取り入れる
こうした小さな工夫が、「汚れにくく掃除しやすい浴室」につながります。
トラブル回避の実務フロー

浴室リフォームは費用も工期も大きくなるため、段取りをしっかり踏むことで工事トラブルを未然に防ぐことができます。着工前から引き渡し後のアフター対応まで、流れを把握しておきましょう。
着工前~引き渡しまでの段取り
工事をスムーズに進めるには「事前準備」と「周囲への配慮」が欠かせません。
現地調査のチェックリスト(給排水・電気・下地・防水・PS)
着工前の現地調査では、以下の点を細かく確認します。
- 給排水:配管位置・劣化状態・勾配の有無
- 電気:ブレーカー容量・専用回路の必要性
- 下地:壁や床の傷み・補強の要否
- 防水:既存防水層の劣化や漏水跡の有無
- PS(パイプスペース):給湯器や追い焚き配管の制約
これらを見落とすと、工事中に追加費用や工期延長につながります。
近隣挨拶・工事掲示・荷運び/搬入計画・仮設入浴の手配
マンションリフォームでは近隣対応も重要です。
- 近隣挨拶:工事音や搬入出の影響を説明
- 工事掲示:エレベーター前や掲示板に工事案内を掲示
- 荷運び/搬入計画:エレベーターサイズや使用時間を管理組合と調整
- 仮設入浴:数日間お風呂が使えないため、銭湯利用や仮設シャワーを検討
「自分の家だけの工事」ではなく「周囲との調和」も工事成功のポイントです。
保証とアフター
引き渡し後の安心感を確保するには、保証内容とアフター対応を明確にしておきましょう。
本体保証・施工保証・設備保証の違いと書面の確認
保証には大きく分けて3種類あります。
- 本体保証:ユニットバス本体のメーカー保証(通常2年~5年)
- 施工保証:工事業者が行った施工に対する保証(防水・配管など)
- 設備保証:換気乾燥機や給湯器といった機器の保証
保証期間や範囲は業者によって差があるため、書面で確認することが必須です。
引き渡し検査(通水・漏水・勾配・水切れ・ドア建付け)
完成後は引き渡し検査を行います。確認すべきは次の項目です。
- 通水テスト:水が正常に流れるか
- 漏水確認:配管や接合部からの水漏れがないか
- 勾配チェック:排水がスムーズに流れているか
- 水切れ:床やカウンターに水が溜まらないか
- ドア建付け:スムーズに開閉できるか
この段階で不具合を指摘・是正してもらうことが、後の安心につながります。
補助金・減税・保険の基礎知識

マンションリフォームでは、工事の内容によって国や自治体の補助金、省エネやバリアフリーに関する減税、さらには介護保険などを活用できる場合があります。制度は年度ごとに更新されることが多いため、最新情報を入手し、申請期限や必要書類をしっかり確認することが重要です。
最新制度の調べ方と申請の流れ
国・自治体の省エネ/バリアフリー枠の対象工事例と必要書類
省エネリフォームでは「断熱窓交換」「高効率給湯器導入」「節水型トイレ設置」などが対象になりやすく、バリアフリー工事では「段差解消」「手すり設置」「浴室改修」が該当します。申請には、契約書・工事見積書・仕様書・写真(施工前後)が求められることが一般的です。補助金によっては、メーカーの性能証明書や施工業者の登録番号も必要になるため、早めに準備を始めましょう。
事業者登録の有無・工期/契約期限・併用可否の確認ポイント
補助金の多くは、登録済みの施工業者しか申請できない仕組みになっています。また「〇年〇月までに契約」「〇月末までに工事完了」といった条件が必ず付くため、計画段階でスケジュールに組み込んでおくことが不可欠です。さらに、国の制度と自治体の制度を併用できる場合とできない場合があるため、複数制度を活用したい場合は、事前に窓口や業者へ確認しておきましょう。
介護保険・税制の使い分け
要支援/要介護時の住宅改修(手すり・段差解消)上限と注意点
介護保険を利用した住宅改修では、20万円を上限に費用の7~9割が支給されます(自己負担は1~3割)。対象工事は手すり設置、段差解消、床材変更、扉交換、便器の洋式化などに限られます。注意点は、一度に20万円を超えると超過分は全額自己負担になること、また支給は要介護認定を受けた後でないと適用されないことです。
所得税控除・固定資産税減額の対象と申告タイミング
省エネやバリアフリー改修を行うと、所得税の控除や固定資産税の減額を受けられる場合があります。たとえば、省エネ改修で一定の基準を満たすと所得税の控除が受けられ、バリアフリー工事では固定資産税が一定期間減額されることがあります。これらは確定申告や市区町村への申告が必要となるため、領収書や工事証明書を必ず保管しておきましょう。
制度は毎年変わるため、「工事を検討し始めたらまず最新の補助金・減税制度を調べる」ことが失敗を避ける第一歩です。
東海エリアのマンションリフォームはベータにお任せください!

マンションリフォームは、戸建てとは異なる管理規約や構造上の制約、そして近隣への配慮が欠かせません。ベータは東海エリアに特化し、これまで数多くのマンションリフォームを手掛けてきました。給排水や電気設備といった専門性の高い工事から、デザイン性を重視した空間づくりまで、安心してお任せいただけます。
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まとめ

マンションの浴室リフォームは、費用相場や工期の把握、商品・サイズ選び、管理規約の確認、将来を見据えた安全性や快適性の設計など、検討すべきポイントが多岐にわたります。特にマンション特有の制約を理解しないまま進めると、思わぬトラブルや追加費用が発生することもあります。
その一方で、事前の情報整理や適切な業者選びによって、予算を抑えつつ満足度の高いリフォームを実現することは十分可能です。補助金や減税制度を活用することで、さらに負担を軽減できるケースもあります。
大切なのは、信頼できるパートナーと一緒に計画を進めること。安心・快適な暮らしを叶える第一歩として、本記事を参考にご自身のリフォーム計画を具体化してみてください!