マンション床リフォームの種類と選び方|防音・費用も解説

マンションの床リフォームを検討するときに気になるのが、「どんな種類の床材があるのか」「工法はどう選べばいいのか」「防音性能や費用はどのくらいかかるのか」といった点ではないでしょうか。
戸建てと違い、マンションには遮音性能の基準や管理規約の制約があるため、選び方を誤るとトラブルにつながる可能性もあります。
本記事では、マンションで選べる床材の種類や工法の特徴をはじめ、防音性能の基準(L値・ΔL値)や費用相場についても分かりやすく解説します。これから床リフォームを検討されている方が、自分の住まいに最適な方法を選べるよう参考にしてください!
目次
マンション床材の主な種類と特徴

マンションのリフォームや新築を検討する際、床材の選び方は住まいの快適性やデザイン性に大きな影響を与えます。特にマンションでは遮音性や管理規約の制限があるため、戸建てとは異なる視点で床材を選ぶことが大切です。ここでは、マンションで採用されることの多い「複合フローリング」と「無垢フローリング」について、それぞれの特徴と注意点を解説します。
複合フローリング(マンション向けの定番)

複合フローリングとは?構造と仕組み
複合フローリングは、合板を基材にして表面に天然木や化粧シートを貼り合わせた床材です。多層構造になっているため、伸縮や反りに強く、安定性に優れているのが特徴です。さらに、マンション用には遮音フローリング(LL-45などの遮音性能付き)が用意されており、上下階への生活音を軽減する仕組みが整っています。
複合フローリングのメリット・デメリット
メリットは、価格が比較的リーズナブルでメンテナンスが容易な点です。表面に傷や汚れに強い加工が施されているタイプもあり、子育て世帯やペットのいる家庭にも向いています。
一方、デメリットとしては、経年による表面材の剥がれや質感の人工的な印象が挙げられます。また、無垢材に比べると木の温かみや自然な風合いは劣ります。
無垢フローリング(天然木の質感重視)

無垢フローリングの特徴と注意点
無垢フローリングは、一本の木材から切り出された天然木をそのまま使用した床材です。天然素材ならではの温かみや木目の美しさがあり、使い込むほどに味わいが深まります。
ただし、無垢材は湿度や温度によって膨張・収縮するため、反りや隙間が生じやすい点に注意が必要です。また、傷や汚れがつきやすく、定期的なメンテナンスも欠かせません。
マンションで採用する際の制約と対策
マンションで無垢フローリングを採用する場合、遮音規定や管理組合のルールにより制限されるケースがあります。特に遮音性能の低い床材はNGとされることも多いため、施工前に必ず確認が必要です。
対策としては、無垢材に遮音マットを組み合わせる工法や、既存の床の上に施工する「二重床方式」を取り入れる方法があります。これにより、天然木の質感を楽しみつつ、マンションのルールにも対応可能です。
フローリング以外の床材も選択肢に!

マンションの床材といえばフローリングが一般的ですが、用途やライフスタイルによってはフローリング以外の床材も検討する価値があります。特に「水回り」「防音」「快適性」を重視する場合には、クッションフロアやカーペットが効果的です。ここでは、それぞれの特徴と注意点を解説します。
クッションフロア(CF)

クッションフロアの特徴と使われる場所
クッションフロア(CF)は、塩化ビニール素材で作られた柔らかい床材です。表面に木目や石目のデザインが印刷されており、見た目はフローリングやタイルに近い雰囲気を演出できます。
水や汚れに強いことから、キッチン・洗面所・トイレなどの水回りによく使われています。施工も比較的容易で、リフォームでも人気の高い床材です。
メリット・デメリットと費用目安
メリットは、水や汚れに強く掃除がしやすい点です。また、価格がフローリングよりも安く、リフォーム費用を抑えたい場合にも向いています。
一方でデメリットは、高級感や耐久性に劣る点です。家具の跡が残りやすく、経年劣化によって表面がめくれることもあります。
費用の目安は、1㎡あたり2,000~4,000円程度(材料+施工費)と比較的リーズナブルです。
カーペット・タイルカーペット

カーペットの特徴と防音効果
カーペットは、繊維素材を使った柔らかい床材で、歩行感が柔らかく、防音性・断熱性に優れているのが特徴です。特にマンションでは、下階に伝わる生活音を抑えられるため、子育て世帯やペットのいる家庭に適しています。
タイルカーペットは部分的に張り替えができるため、汚れやすい部分だけを交換できる利便性も魅力です。
マンションで選ぶ際の注意点
マンションでカーペットを採用する場合、注意したいのはダニやホコリの発生です。定期的な掃除機がけやクリーニングが必要になります。また、水や汚れが染み込みやすい点もデメリットです。
さらに、管理規約によっては「防音性能を備えた製品のみ使用可」とされているケースもあります。選ぶ際は、防音性能(LL-45など)のあるカーペットを選ぶことが重要です。
マンション床リフォームで選べる工法の種類

マンションの床リフォームには、大きく分けて「張り替え工法」と「上張り(重ね張り)工法」の2つがあります。どちらを選ぶかによって、費用や工期、仕上がりが大きく変わります。ここでは、それぞれの工法の特徴と適したケースを解説します。
張り替え工法(床を剥がして新設)

張り替え工法のメリット・デメリット
張り替え工法は、既存の床材をすべて撤去してから新しい床材を施工する方法です。
メリットは、下地の状態を確認・補修できるため仕上がりが長持ちすること。また、床下に遮音材や断熱材を追加することも可能です。
一方でデメリットは、工期が長く、費用も高めになる点です。床を剥がす作業や廃材処分費もかかるため、短期間・低コストでのリフォームには向きません。
どんな場合に張り替えが適している?
張り替え工法は、床の劣化が進んでいる場合や、下地が傷んでいる場合に最適です。特に、床鳴り・沈み込み・カビなどのトラブルがあるときには、下地からしっかり直す必要があります。
また、床暖房を新設したい場合や、防音性能を根本から改善したい場合にも張り替えが適しています。
上張り(重ね張り)工法(既存床の上に施工)

上張り工法の特徴と費用の安さ
上張り工法は、既存の床を剥がさずにその上から新しい床材を重ねて施工する方法です。工期が短く、費用も張り替えに比べて安いのが最大のメリットです。
廃材がほとんど出ないため、環境負荷も少なく、マンションリフォームで人気の工法です。
上張りのデメリットと注意点(段差・床高)
上張り工法の注意点は、床の高さが上がってしまうことです。数ミリ~1センチ程度の段差ができるため、ドアや建具の開閉に支障が出る場合があります。
また、既存の床に傷みがあると、そのまま重ねても床鳴りや不具合が残ることがあります。そのため、下地の状態を事前に確認し、必要に応じて補修を行うことが重要です。
マンション特有の注意点と選び方のポイント

マンションの床リフォームは、戸建てとは異なる制約があります。特に防音性能や管理規約は無視できないポイントです。選び方を誤ると、施工後にトラブルにつながる可能性もあるため、事前の確認が欠かせません。ここでは、マンションならではの注意点と選び方のポイントを解説します。
防音性能(L値・ΔL値)を確認しよう

遮音等級とは?マンションで求められる基準
マンションでは、上下階の生活音を軽減するため、遮音等級(L値またはΔL値)という基準が設けられています。
- L値 … 小さいほど遮音性能が高い(例:L-40はL-45より静か)
- ΔL値 … リフォーム時に用いられる基準で、床材を変更することでどの程度遮音性能が改善されるかを示す数値
一般的なマンションでは、LL-45(またはΔLL-4相当)程度の性能が求められるケースが多いです。これは「子どもが走った音がやや気になる程度」で、生活に支障のない基準とされています。
防音フローリングの種類とおすすめ製品例
防音フローリングには、裏面にクッション材やゴム材を一体化したタイプがあり、マンション向けに多く採用されています。
主な種類は以下の通りです:
- 直貼り用遮音フローリング … コンクリートスラブに直接施工できる
- 二重床用遮音フローリング … 置き床工法など二重床に対応するタイプ
製品例としては、大建工業の「オトユカ45」や、朝日ウッドテックの「ライブナチュラルMSX」などが知られており、マンションリフォーム向けに多く利用されています。
管理規約・床下構造の確認が必須

直床と二重床の違いと工法への影響
マンションの床下構造には、直床(じかゆか)と二重床(にじゅうゆか)の2種類があります。
- 直床工法 … コンクリートスラブに直接フローリングを施工する方法。遮音材を使った直貼りフローリングが必要。
- 二重床工法 … 支柱を立てて床を浮かせる構造。床下に配管や配線が通せるが、リフォーム時の工法が制限される場合がある。
自宅のマンションがどちらの構造かによって、選べる床材や施工方法が変わるため、事前確認が不可欠です。
リフォーム前に確認すべき管理規約のポイント
マンションでは、管理組合の規約で床材の種類や遮音等級が指定されている場合があります。たとえば「LL-45以上の遮音性能を満たす床材に限る」といったルールです。
また、床暖房の設置可否や、防音カーペットの利用義務などがあるケースもあります。
リフォームを検討する際には、管理規約と専有部分・共用部分の境界を必ず確認し、管理組合への事前相談を行いましょう。
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特にマンションリフォームでは、遮音性能や管理規約への対応が重要なポイントになりますが、豊富な施工実績とノウハウを持つベータなら安心です。施工前の管理組合への届け出から、施工後のアフターフォローまで、トータルでサポートいたします。
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まとめ

マンションの床リフォームでは、床材の種類・工法・防音性能・管理規約といった要素を総合的に考えることが大切です。
- 複合フローリングや無垢フローリングは質感やメンテナンス性に違いがある
- クッションフロアやカーペットなど、フローリング以外の選択肢もある
- 工法は「張り替え」か「上張り(重ね張り)」かで費用・工期が変わる
- マンションならではの遮音基準や規約の確認は必須
こうしたポイントを踏まえれば、快適で安心できる床リフォームが実現できます。
👉 自分や家族の暮らしに合った床材・工法を選び、長く快適に過ごせる住まいづくりを目指しましょう!