マンションのリフォームで24時間換気システムを後付けする方法

マンションのリフォームで24時間換気システムを後付けする方法

近年、住まいの快適性や健康への関心が高まるなかで、注目を集めているのが「24時間換気システム」です。

「新築の家にはついているけど、うちにはない…」
「後からつけられるの?」
「電気代が心配…」
といった声も多く聞かれます。

実は、24時間換気システムは空気の質を整える“見えないインフラ”
シックハウス症候群の予防、結露対策、アレルゲンの侵入防止など、現代の住まいには欠かせない役割を担っています。

このブログでは、24時間換気システムの仕組みや種類、設置義務のある法律の話から、メリット・デメリット、マンションでの後付け方法、導入時の注意点まで、幅広く分かりやすく解説します。

現在マンションにお住まいの方、リフォームをご検討中の方、ぜひ参考にしてみてください!

24時間換気システムとは

24時間換気システムとは

24時間換気システムとは、住宅や建物内の空気を常に入れ替えるための設備です。
シックハウス症候群の対策として注目され、室内の空気を清潔に保つ役割を果たします。

外気を取り入れて汚れた空気を排出することで、湿気や有害物質の蓄積を防ぎ、健康的な居住環境を維持します。

24時間換気システムの仕組み

24時間換気システムの仕組み

このシステムは、給気(外から新鮮な空気を取り入れる)と排気(室内の汚れた空気を外に出す)を24時間自動で行う構造です。
ファンを使って強制的に空気の流れを作る場合もあり、換気口の位置や数は建物の間取りや広さに応じて設計されます。

また、熱交換機能を持つタイプでは、外気との温度差を最小限に抑えることで、冷暖房効率の低下を防ぐことも可能です。

換気方式の種類

24時間換気システムには主に3つの方式があります。

  • 第1種換気:給気・排気ともに機械で行う方式。換気性能が高く、室温を保ちやすいのが特徴です。
  • 第2種換気:給気を機械で、排気は自然に行う方式。清浄度が高く、病院などで使用されます。
  • 第3種換気:給気は自然に、排気を機械で行う方式。戸建住宅など一般家庭で多く採用されています。

それぞれの方式にはメリット・デメリットがあるため、用途や目的に応じて選定されます。

建築基準法での設置義務

日本の建築基準法では、シックハウス対策を目的として、2003年7月1日の改正建築基準法により、原則としてすべての居室に24時間換気システムの設置が義務付けられています。

この義務化の背景には、住宅の高気密・高断熱化が進むにつれて、建材や家具などから放散されるホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)などの化学物質が室内に滞留しやすくなり、目や喉の痛み、頭痛、めまいなどの健康被害(いわゆるシックハウス症候群)が社会問題化したことがあります。

建築基準法では、住宅の種類や構造に関わらず、居室を有する建築物には、1時間あたりに部屋の空気の半分以上が入れ替わるように換気を行うこと(0.5回/時間以上の換気量)が求められています。これは、機械換気設備による方法で達成することが一般的です。

この義務化により、新築住宅の建築はもちろんのこと、大規模なリフォームなどを行う場合にも、建築基準法で定められた基準を満たす24時間換気システムの設置またはそれに代わる適切な換気対策が必須となっています。

24時間換気システムは、単に法律で定められただけでなく、住む人の健康と快適な暮らしを守る上で、現代の住宅に不可欠な設備と言えるでしょう。

24時間換気システムのメリット

24時間換気システムのメリット

24時間換気システムは、常に空気を入れ替えることで、住まいの空気環境を快適かつ安全に保つ役割を果たします。
以下に、具体的な4つのメリットをご紹介します。

シックハウス症候群の抑制・防止

シックハウス症候群の抑制・防止

新築やリフォーム直後の住宅では、建材や接着剤などからホルムアルデヒドなどの化学物質が放出されることがあります。
これが原因で、目のかゆみ、のどの痛み、頭痛、めまいなどの体調不良を引き起こすのが「シックハウス症候群」です。

24時間換気システムを導入することで、これらの有害物質を効果的に屋外に排出し、室内の空気を常にクリーンに保つことができ、シックハウス症候群のリスクを大幅に軽減します。

結露の抑制・防止

室内外の温度差や湿度の影響で発生する結露は、窓や壁のカビ・ダニの原因となり、住宅の劣化や健康被害にもつながります。
24時間換気システムは、湿気をこもらせず常に空気を循環させるため、結露の発生を抑え、住まいの寿命を延ばす効果があります。

特に冬場や浴室・キッチンなどの湿気がこもりやすい場所での対策として有効です。

花粉やPM2.5の侵入抑制

高性能なフィルターを搭載した24時間換気システムでは、外気を取り込む際に花粉やPM2.5といった微細な粒子を除去することができます。
これにより、アレルギーや呼吸器疾患のある方でも安心して過ごせる空間をつくることが可能です。

窓を開けずに換気ができるため、春の花粉シーズンや大気汚染が気になる日にも有効です。

有害物質の排出

日常生活の中で発生する有害物質――たとえば調理中の煙、たばこの煙、家具や家電から発生する揮発性有機化合物(VOC)など――は、知らず知らずのうちに室内に蓄積されていきます。
24時間換気システムを使えば、これらの汚染物質を自動的かつ継続的に屋外へ排出できるため、より健康的な住環境を維持することができます。

24時間換気システムのデメリットと解決策

24時間換気システムのデメリットと解決策

24時間換気システムは多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットを感じる方もいます。
ただし、それらは製品の選び方や工夫によって十分に対策可能です。以下に主な問題点とその解決策を紹介します。

換気扇の音がうるさい

換気扇の音がうるさい

24時間稼働するシステムであるため、常に動作音が発生します。
特に寝室や静かな空間では、音が気になるという声もあります。

低騒音タイプの選択

最近では、静音設計が施された換気ファンやダクトが数多く販売されています。
製品によっては運転音を20dB以下に抑えているものもあり、設置場所や用途に応じて静音モデルを選ぶことで快適さを損なわずに換気を行えます。

防音対策の実施

壁面やダクト周辺に防音材を使用したり、換気口をベッドやリビングの直近から離れた場所に設置することで、音の感じ方を軽減することが可能です。
また、天井裏や壁内に設置する「セントラル換気方式」では、騒音を最小限に抑えることができます。

外気の流入で寒くなる

外気の流入で寒くなる

冬場など寒い季節に外気が室内に入り込むと、室温が下がり、寒さを感じることがあります。

断熱性の高い窓の導入

断熱性の高い複層ガラスやLow-Eガラス、樹脂サッシなどを取り入れることで、外気の影響を受けにくくし、室温の低下を防げます。
住宅全体の断熱性能を高めることで、換気による寒さを感じにくくなります。

換気量の調整

機種によっては換気風量を調整できるモデルもあります。
季節や居住人数に合わせて風量を最適化することで、寒さを軽減しつつ換気の効果を保つことができます。

また、熱交換換気システムを導入すれば、外気を取り込む際に室内の熱を回収し、温度差を抑えることができます。

電気代がかかる

電気代がかかる

24時間稼働するため、電気代の増加を気にされる方もいます。

省エネタイプの選択

近年の24時間換気システムは、エネルギー効率が大幅に改善されており、省電力で稼働する機種も多くあります。
消費電力が少ないDCモーター採用のモデルや、熱交換機能付きの高効率タイプを選ぶことで、ランニングコストを抑えることが可能です。

換気量の最適化

実際の生活スタイルに合わせて、必要な換気量を見直すことも節電につながります。
タイマー機能やセンサーによる自動制御付きのシステムを導入することで、無駄な電力消費を抑えつつ、適切な換気を保つことができます。

マンションへの24時間換気システムの後付け方法

マンションへの24時間換気システムの後付け方法

築年数の古いマンションや、24時間換気が義務化される前に建てられた物件には、換気システムが未設置の場合があります。
こうしたマンションでも、適切な方法を選べば後付けによる設置が可能です。

ここでは、代表的な後付け手段と換気効果を高める工夫について紹介します。

ダクト式換気システムの導入

ダクト式換気システムの導入

ダクト式の換気システムは、天井裏や壁内部にダクトを通し、室内の空気を集中して排気・給気するタイプです。
マンションの構造によっては、スペースの制約から導入が難しい場合もありますが、リノベーション時や天井に点検口がある場合などは設置が可能です。

複数の部屋を一括で換気できるため、効率的かつ静音性にも優れています。

壁付け換気扇の設置

比較的手軽に設置できるのが、壁に直接取り付ける「壁付け換気扇」です。
キッチンや洗面所、トイレなどに既存の排気口がある場合は、その位置を活用することで、工事を最小限に抑えることができます。

近年では24時間換気対応の静音・省エネモデルも登場しており、リフォームの一環として導入しやすい方法の一つです。

窓用換気システムの活用

構造的に壁への工事が難しいマンションでは、窓に設置できる換気ユニットの利用が有効です。
窓の開閉部分に後付けするタイプや、サッシに挟み込むだけで設置できるモデルもあり、工事不要で導入できるのが最大の魅力です。

一部製品にはフィルターや熱交換機能が搭載されており、花粉やPM2.5の除去にも対応しています。

換気効率を高める工夫

後付けの換気システムを導入しても、換気効率が低ければ十分な効果が得られません。
以下のような工夫で効率を高めることができます。

  • 室内ドアの下部にアンダーカット(隙間)を設けて空気の流れを確保する
  • 排気と給気の位置を対角線上に設置し、空気が家全体を巡るようにする
  • 空気清浄機やサーキュレーターを併用し、空気の循環をサポートする

これらの対策を組み合わせることで、後付けでも快適で衛生的な室内環境を実現できます。

24時間換気システム導入の注意点

24時間換気システム導入の注意点

24時間換気システムは、室内環境を清潔かつ快適に保つうえで非常に有効な設備ですが、導入にあたってはいくつか注意すべきポイントがあります。
とくにマンションなどの集合住宅では、周囲への配慮や適切な施工が欠かせません。

ここでは導入時に気をつけたい3つのポイントを紹介します。

管理組合との事前相談

管理組合との事前相談

マンションに24時間換気システムを後付けする場合、管理規約によっては工事の制限があることがあります。
共用部にダクトを通したり、外観に影響を与える工事を行う場合、必ず管理組合の承認が必要です。

事前に管理規約を確認し、必要に応じて理事会などに相談しておくことで、トラブルを防ぎ、スムーズに導入を進めることができます。

専門家による適切な設計と施工

換気システムは、単に空気を出し入れするだけでなく、風量や空気の流れ、室温への影響などを考慮した設計が必要です。
素人判断で設置すると、換気がうまく行われず、かえって湿気やカビの原因になることもあります。

設備設計や施工の実績がある専門業者に依頼し、建物の構造や使用目的に合った最適なシステムを選定・設置してもらうことが大切です。

メンテナンスの重要性

24時間換気システムは、常に稼働しているため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
フィルターの目詰まりやファンの劣化が進むと、換気性能が低下し、電気代が余計にかかる場合もあります。

目安として、フィルターは3〜6ヶ月に一度の掃除または交換、ファンやダクトの点検は年に1回程度を推奨します。
取扱説明書を確認し、定期的なメンテナンスを忘れずに行いましょう。

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まとめ

まとめ

24時間換気システムは、室内の空気を常に新鮮に保ち、健康で快適な住環境を実現するための重要な設備です。
シックハウス症候群や結露、花粉・PM2.5などの対策として高い効果を発揮する一方で、騒音や電気代、外気の影響といった課題もありますが、適切な製品選びと工夫により十分に対処可能です。

マンションへの後付けも、構造や規約に配慮しながら進めることで実現できます。
導入の際は、管理組合との連携や専門業者による設計・施工、定期的なメンテナンスが欠かせません。

東海エリアでマンションリフォームや24時間換気システムの導入をお考えの方は、豊富な実績と地域密着の対応力を持つベータにぜひご相談ください。
安心・快適な暮らしを実現するための最適なプランをご提案いたします。

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この記事を書いた人

森 卓也

森 卓也

㈱ベータ取締役。
平成元年生まれ。三重県亀山市出身。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。
大学院在学中に不動産管理法人を設立し、20代で不動産オーナーに。
大学院(MBA)や不動産オーナーの経験を活かし、リフォーム費用を抑えるコツや信頼できる業者選びの秘訣など、リフォームに関して有益な情報を発信。

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