マンションのトイレリフォームで位置移動!費用と注意点を徹底解説

トイレの位置を変えたい――トイレの位置を変えるリフォームは、間取りをガラリと変えられる一方で、排水勾配・床構造・管理規約といった技術的・手続き的な壁にぶつかりやすい工事です。
本記事では「どこまで動かせるのか」「実際にかかる費用はどれくらいか」「そして失敗を避けるための注意点」を、図面を読めなくても分かるように丁寧に解説します。これから計画を始める方はぜひ参考にしてください!
目次
位置移動の可否を決める技術条件

マンションのトイレやキッチンなどの位置を移動できるかどうかは、デザインの自由度だけでなく、排水や床構造といった技術的条件によって大きく左右されます。見た目だけでは判断できない部分も多く、専門的な知識が必要です。ここでは、移動可否を左右する主要な技術ポイントをわかりやすく解説します。
排水勾配と配管ルート
トイレやキッチンなどの排水設備を移動する際、最も重要なのが排水勾配の確保です。排水は重力によって自然に流す「自流式」で設計されているため、配管には適切な角度(勾配)が必要です。
勾配確保の限界と逆勾配リスク
排水勾配が不十分な場合、水が逆流したり流れ残りが発生する「逆勾配」になる恐れがあります。特にトイレのように大量の水を一度に流す設備では、このリスクが高まります。移動距離が長くなるほど必要な勾配を確保しにくくなるため、大きな位置変更は構造上難しいケースが多いです。
立て管との距離・曲がり数の上限
排水は最終的に共用の縦方向の排水管(立て管)に接続されます。この立て管からの距離が離れるほど、勾配を維持するために床の高さを上げなければならず、現実的でなくなることも。また、配管の曲がりが多いと詰まりの原因になりやすいため、曲がり数にも上限があります。立て管までの距離と配管ルートは、位置移動の可否を判断する重要な指標です。
床構造(直床/二重床)の違い

床の構造によっても、配管を動かせる範囲が大きく変わります。マンションでは主に「直床構造」と「二重床構造」の2種類があり、それぞれに特徴と制約があります。
直床は漏水リスクで移動困難
直床(じかゆか)構造では、コンクリートスラブの上に直接仕上げ材を施工しています。そのため、床下に空間がなく、配管を自由に通すことができません。無理に移動すると勾配を確保できず、漏水リスクが高まるため、基本的に大きな位置変更は避けられます。
二重床で可能な範囲と床上げ対応
一方、二重床構造ではスラブと仕上げ床の間に空間があり、配管の通し替えやルート変更がしやすいのが特徴です。ただし、排水勾配のために床を一部「床上げ」して高さを調整するケースもあります。移動自体は可能でも、段差の発生や天井高の低下といった課題もあるため、事前の現場確認が欠かせません。
既存設備の条件確認(排水芯・給水・電源)

トイレや洗面台、キッチンなどの設備を移動・交換する前に必ず確認すべきなのが既存の設備条件です。特に排水・給水・電源の位置は、移動の自由度や追加工事費用に直結します。ここでは、設備リフォームで見落とされがちな排水芯・止水栓・電源・換気の各ポイントを解説します。
排水芯の種類と対応方法
トイレや洗面などの位置を変更・交換する際、まずチェックすべきは「排水芯」です。排水芯とは、排水管の中心位置のことで、便器や機器の取り付け高さ・位置に直接関係します。
排水芯20cm基準と可変アジャスター
多くのマンションでは、トイレの排水芯は壁から200mm(20cm)の位置が標準です。これを「排水芯200タイプ」などと呼びます。最近のトイレには、排水芯のズレを吸収できる可変アジャスター(リモデル対応排水ソケット)を採用した製品もあり、数cm程度の位置変更なら対応可能です。小規模なレイアウト変更であれば、配管工事を最小限に抑えることもできます。
排水芯移動が必要なケースと費用目安
一方で、トイレの位置を大きく移動したり、壁排水から床排水へ変更する場合は、排水芯そのものを移設する必要があります。この場合、床を一度撤去して配管ルートを変更する大掛かりな工事となり、費用は10〜30万円前後が目安です(床構造や距離により変動)。また、管理規約で排水経路の変更が制限されていることもあるため、事前確認が必須です。
止水栓・電源・換気位置

排水芯とあわせて、給水・電気・換気設備の位置もリフォームの成否を左右します。これらの要素が現状のままで対応できるかどうかで、追加工事やレイアウト変更の範囲が変わります。
止水栓の移設要否と納まり改善
止水栓(給水バルブ)は、機器交換時や緊急時に水を止めるための大切な設備です。機器を移動すると位置が合わなくなることがあり、その場合は配管を延長して移設します。特にトイレや洗面台では、配管の露出を避けて見た目をすっきりさせる「納まり改善」のために、壁内に止水栓を組み込むケースもあります。
専用回路・アース・換気ダクト延長
最近のトイレや洗面設備には、温水洗浄便座や自動水栓など電源を必要とする機能が一般的です。そのため、専用回路やアース接続が確保されているかを必ず確認します。電源が遠い場合は新たに配線を引く工事が必要で、1〜3万円程度の追加費用がかかることもあります。
また、トイレや洗面室を移動する場合には、換気ダクトの延長にも注意が必要です。ダクトの距離や曲がりが増えると換気効率が低下するため、ファンの風量調整やダクト径の変更などで対応するケースもあります。
管理規約・申請と計画の進め方

マンションでトイレやキッチンなどの水回りリフォームを行う際には、工事内容の前に「管理規約」と「申請手続き」の確認が不可欠です。共用部分を扱う可能性がある工事では、ルール違反になると着工できないだけでなく、トラブルに発展することもあります。ここでは、リフォームを円滑に進めるための管理規約の確認ポイントと工事計画の進め方を詳しく解説します。
管理規約・使用細則の確認ポイント
まず最初に行うべきは、マンションの管理規約と使用細則の内容確認です。リフォーム可能な範囲や手続き方法はマンションごとに異なります。
水回り位置変更の可否と時間帯規制
特に注意すべきなのが、水回り設備(トイレ・キッチン・浴室など)の位置変更可否です。多くの管理組合では、「配管経路変更は禁止」や「立て管からの距離制限」など、排水や給排水設備に関する制約を設けています。また、騒音や振動を伴う工事では、作業時間帯(例:9時〜17時)や休日施工の禁止といった規定も存在します。これらを把握しておくことで、申請内容の修正や工期トラブルを防ぐことができます。
共用部養生・工事申請書の必須添付
リフォーム工事では、搬入経路やエレベーター・廊下など共用部分の養生が必須です。養生計画を立て、工事申請書に添付する図面・仕様書・工程表などを管理組合へ提出します。申請は通常、着工の1〜2週間前までに提出・承認を受ける必要があり、管理会社や理事会の承認が下りてから正式な工事日程を確定します。
近隣配慮と工事段取り

管理組合への申請と同時に、近隣住戸への配慮と工事スケジュールの整理も重要です。工事中のトラブルを防ぐためには、施工会社と住民双方の信頼関係を築くことが欠かせません。
挨拶・掲示・騒音対策の基本
工事着工前には、上下階や両隣の住戸に対する挨拶を行い、工事期間・内容・作業時間を説明します。また、エントランスや掲示板に工事案内の掲示を行い、周囲への理解を得ることも大切です。作業中は、騒音や振動を最小限に抑える工法や防音養生を施し、管理人室への日々の報告も忘れずに行いましょう。
仮設トイレ・工期目安と生活動線
トイレや浴室のリフォームでは、工事中に使用できない期間が発生します。そのため、仮設トイレの設置や一時的な生活動線の確保を事前に検討しておくことが重要です。一般的なトイレリフォームでは、工期は2〜3日程度が目安ですが、配管移動を伴う場合は1週間前後かかるケースもあります。
レイアウト設計と快適性・衛生の要点

トイレや洗面などの水回りを移動・新設する際には、機能性だけでなく快適性と衛生性を高めるレイアウト設計が重要です。使いやすさ、音や臭いへの配慮、バリアフリー対応、収納性の確保といった要素をバランスよく設計することで、毎日の生活がより快適になります。ここでは、動線・衛生・使い勝手を両立させるための設計のポイントを解説します。
動線・音・臭気への配慮
トイレの位置や向き、換気の取り方は、生活動線や住空間の快適さに直結します。プライバシーや衛生を意識しながら、配置バランスを考えることが大切です。
寝室・LDからの距離と遮音パネル
トイレのドアを開けたときに、リビングや寝室から直接見えない位置に配置するのが理想です。また、近接する場合には遮音パネルや吸音材入りの壁を採用することで、排水音やドアの開閉音を軽減できます。特に夜間の利用を考慮し、静音型便器やソフトクローズドアを選ぶとより快適です。
負圧換気・防臭下地・手洗い配置
臭気対策には、負圧換気(排気量を給気量より多くする方式)を採用し、室内の空気を常に外へ排出する設計が効果的です。さらに、床や壁の下地材に防臭性・防湿性の高い材料を使うことで、長期的なニオイ残りを防げます。手洗い器を設置する場合は、使用後の動線が短く、水ハネが壁や床にかかりにくい配置を意識することがポイントです。
バリアフリーと収納計画

将来の使いやすさや清掃性を考慮すると、段差解消・出入り口幅・収納位置も重要な設計要素になります。年齢や家族構成の変化に対応できる空間づくりを意識しましょう。
入口幅・段差解消・手すり位置
トイレの出入り口は、有効幅75cm以上を確保すると、車椅子や介助者の出入りもスムーズです。段差は極力なくし、床の高さを廊下とフラットにすることでつまずき防止にもなります。また、立ち座りの動作を考慮して、壁面に手すりを設ける位置や高さ(床から70〜80cm)を計画段階で決めておくことが大切です。
造作収納/埋め込み収納の選択
トイレ空間では限られたスペースを有効活用するために、収納計画が快適性を左右します。タンク上の棚や背面ニッチなどを活用した造作収納は、デザイン性と実用性を両立できます。一方で、壁厚を利用した埋め込み収納は、狭い空間でも圧迫感を与えずスッキリとした印象に仕上がります。収納量だけでなく、清掃のしやすさや手の届きやすさも考慮して設計することがポイントです。
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まとめ

マンションでのトイレや水回りの位置移動リフォームは、排水勾配・床構造・既存配管位置・管理規約といった複数の条件をクリアする必要があります。見た目やデザインだけで判断せず、技術的な可否をしっかり確認した上で計画を立てることが成功のカギです。
また、排水芯や電源・換気位置などの既存条件を正確に把握し、管理組合への申請や近隣への配慮も丁寧に行うことで、トラブルのないスムーズな工事が実現します。さらに、動線設計や衛生・防音対策、収納計画などを取り入れることで、快適で長く使える理想の空間をつくることができます。
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