石膏ボードとは?種類、厚み、用途、選び方を徹底解説
目次
石膏ボードとは?

石膏ボードは、壁や天井の材料として最も一般的な建材の一つであり、建築の現場で様々な役割を担っています。
この記事では、石膏ボードの定義や役割、種類、厚み、用途、施工方法、Q&Aまで、石膏ボードに関する情報をわかりやすく解説します。
石膏ボードの定義と役割

石膏ボードは、石膏を芯材とし、両面を紙で覆った建築材料です。
住宅やオフィスビルの内装壁や天井などに幅広く使われており、その役割は多岐にわたります。
石膏ボードの主な役割
・壁や天井の基材: クロスや塗装などの仕上げ材の下地として使われます。
・間仕切り壁:軽量で加工しやすいため、間仕切り壁の材料として利用されます。
石膏ボードのメリット・デメリット
石膏ボードは、壁や天井の内装材として広く使われていますが、そのメリットとデメリットを理解しておくことは、適切な材料選びや施工に繋がります。
石膏ボードの主なメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット
・施工性: 軽量で加工しやすく、DIYでも扱いやすい。
・コスト: 比較的安価に入手できる。
・防火性: 火災時の延焼を抑制する効果がある。
・遮音性: 音を遮断する効果がある。
・調湿性: 一部の製品には、調湿機能がある。
デメリット
・強度: 衝撃に弱く、欠けやすい。
・耐水性: 水に弱く、湿気の多い場所には不向き。
・加工性: 粉塵が出やすく、作業環境に注意が必要。
石膏ボードの種類と特徴
石膏ボードは、壁や天井の基材として使われるだけでなく、その種類によって様々な機能や特徴を持っています。適切な石膏ボードを選ぶことで、快適で安全な空間作りが可能になります。
標準的な石膏ボード(GB-R)

特徴
・最も一般的な石膏ボードで、価格も安価
・加工しやすく、DIYでも扱いやすい
・壁や天井の下地材として幅広く使用される
用途例
・住宅の壁や天井
・オフィスや店舗の壁や天井
強化石膏ボード(GB-F)

特徴
標準的な石膏ボードよりも強度が高く、耐衝撃性に優れる
防火性や遮音性も高い
壁の強度が必要な場所や、人が頻繁に通る場所に最適
用途例
・学校や病院の壁
・商業施設の壁
・防火壁や間仕切り壁
硬質石膏ボード(GB-D)

特徴
・表面硬度が高く、傷つきにくい
・耐水性にも優れている
・腰壁や水廻りの壁に最適
用途例
・トイレや洗面所の壁
・キッチンや脱衣所の壁
・腰壁
シージング石膏ボード(GB-S)

特徴
・防水処理が施されており、耐水性に優れる
・湿気の多い場所でも使用可能
・外壁の構造下地材としても使用される
用途例
・浴室や洗面所の壁
・キッチンやランドリールームの壁
・外壁の軒裏
構造用石膏ボード

特徴
・建築基準法で定められた耐力壁の構成材として使用される
・耐震性や耐風性に優れる
・地震に強い建物作りに貢献
用途例
・木造住宅の耐力壁
・2×4工法の壁
その他特殊な石膏ボード
上記以外にも、以下のような特殊な石膏ボードがあります。
・吸放湿石膏ボード: 室内の湿度を調整する機能を持つ
・消臭石膏ボード: 臭いを吸着する機能を持つ
・遮音石膏ボード: 遮音性能を高めた石膏ボード
これらの特殊な石膏ボードは、用途に合わせて選ぶことで、より快適な空間作りが可能になります。
石膏ボードの厚みと選び方

石膏ボードは、壁や天井の仕上材の下地として使われる建材ですが、その厚みによって特徴や用途が異なります。適切な厚みの石膏ボードを選ぶことで、作業をよりスムーズに進め、美しい仕上がりを実現することができます。
石膏ボードの厚み規格と特徴
石膏ボードの厚みは、主に9.5mm、12.5mm、15mmの3種類があります。それぞれの厚みには、以下のような特徴があります。
・9.5mm:軽量で扱いやすく、天井や壁の重ね貼りに適しています。
・12.5mm:強度と遮音性に優れており、壁や間仕切り壁によく使われます。
・15mm:さらに強度と遮音性が高く、より頑丈な壁や間仕切り壁を作りたい場合に適しています。
用途別|最適な厚みの選び方
石膏ボードの厚みは、使用する場所や用途に合わせて選ぶことが重要です。
壁
・9.5mm:壁の重ね貼りに使用する場合や、軽量な壁に仕上げたい場合に適しています。
・12.5mm:一般的な壁の仕上げに使用する場合に最適です。強度と遮音性のバランスが良い厚みです。
・15mm:強度や遮音性を特に重視する壁に使用する場合に適しています。
天井
・9.5mm:軽量であるため、天井の施工に適しています。
・12.5mm:天井の強度を上げたい場合や、遮音性を高めたい場合に選択肢となります。
間仕切り
・12.5mm:間仕切り壁として使用する場合に最適です。強度と遮音性のバランスが良い厚みです。
・15mm:強度や遮音性を特に重視する間仕切り壁に使用する場合に適しています。
その他
・水回り:湿気に強いシージング石膏ボードを使用し、厚みは用途に合わせて選択します。
・耐火壁:防火性能の高い強化石膏ボードを使用し、厚みは建築基準法に基づいて選択します。
石膏ボード選びの注意点
石膏ボードを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
・厚み:用途に合わせて適切な厚みを選びましょう。
・サイズ:施工する場所のサイズに合わせて、無駄のないサイズを選びましょう。
・種類:用途に合わせて適切な種類(標準、強化、耐水など)を選びましょう。
・重量:石膏ボードは重量があるため、運搬や取り扱いに注意しましょう。
・安全性:作業時には、防塵マスクや保護メガネを着用し、安全に配慮しましょう。
石膏ボードの施工方法|DIYチャレンジ

石膏ボードの施工は、DIYに挑戦する上で避けて通れない工程の一つです。しかし、正しい知識と手順を踏むことで、初心者でも綺麗に仕上げることができます。ここでは、DIYで石膏ボードを施工する際に必要な道具、手順、そして注意点について詳しく解説します。
必要な道具と材料
石膏ボードの施工には、以下の道具と材料が必要です。
・石膏ボード: 必要なサイズと種類を選びましょう。
・カッターナイフ: 石膏ボードを切断するために使います。
・定規: 正確な寸法を測るために使います。
・石膏ボード用ノコギリ: 石膏ボードを曲線にカットする場合に使います。
・プラスドライバー: 石膏ボード用ビスを締め付けるために使います。
・石膏ボード用ビス: 石膏ボードを固定するために使います。
・下地探し: 壁の裏側にある間柱の位置を確認するために使います。
・水平器: 石膏ボードが水平に取り付けられているか確認するために使います。
・パテ: 石膏ボードの継ぎ目やビス穴を埋めるために使います。
・パテベラ: パテを塗るために使います。
・サンドペーパー: パテの表面を滑らかにするために使います。
・保護メガネ: 作業中の粉塵から目を守るために着用します。
・マスク: 作業中の粉塵を吸い込まないように着用します。
・軍手: 作業中の手を保護するために着用します。
施工手順
下準備:
1.施工場所の寸法を測り、必要な石膏ボードの枚数を計算します。
2.石膏ボードを必要なサイズにカットします。
3.壁の裏側にある間柱の位置を下地探しで確認します。
石膏ボードの取り付け:
1.間柱の位置に合わせて、石膏ボードを壁に当てます。
2.水平器で水平を確認しながら、石膏ボード用ビスで固定します。
3.天井に施工する場合は、専用の道具を使うと作業が楽になります。
継ぎ目の処理:
1.石膏ボードの継ぎ目にパテを塗り、パテベラで均一に伸ばします。
2.パテが乾燥したら、サンドペーパーで表面を滑らかにします。
仕上げ:
壁紙を貼ったり、塗装をしたりして仕上げます。
施工時の注意点
安全に配慮:
①保護メガネ、マスク、軍手などの保護具を必ず着用しましょう。
②高所作業の場合は、足場を安定させ、落下に注意しましょう。
正確な作業:
①寸法を正確に測り、丁寧にカットしましょう。
②石膏ボードは、水平に取り付けることが重要です。
③ビスは、適切な間隔で、垂直に締め付けましょう。
綺麗な仕上がり:
①継ぎ目のパテ処理は、丁寧に行うことで仕上がりが美しくなります。
②パテが乾燥する前に、表面を滑らかに仕上げましょう。
③石膏ボードの施工は、DIYの中でも比較的難易度の高い作業です。自信がない場合は、専門業者に依頼することも検討しましょう。
その他
石膏ボードのカット方法や、継ぎ目の処理方法など、より詳しい情報はインターネットや書籍で調べることができます。
DIYに慣れていない方は、YouTubeなどの動画を参考にすると分かりやすいでしょう。
石膏ボードの用途例|場所別活用アイデア
石膏ボードは、壁や天井の材料としてだけでなく、様々な場所で活用できる汎用性の高い建材です。
ここでは、石膏ボードの具体的な活用アイデアを場所別に紹介します。
壁の装飾

アクセントウォール: 一部の壁に異なるデザインの石膏ボードを貼ることで、空間のアクセントになります。
ニッチ: 壁の一部を凹ませてニッチを作り、小物を飾ったり、収納スペースとして活用できます。
間接照明: 石膏ボードで壁を立ち上げ、裏側に照明を仕込むことで、間接照明を演出できます。
天井のデザイン

折り上げ天井: 天井の一部を高くすることで、開放感を演出できます。
勾配天井: 天井に勾配をつけることで、デザイン性の高い空間を作ることができます。
化粧梁: 石膏ボードで梁を作り、デザインのアクセントにすることができます。
収納スペースの作成

壁面収納: 石膏ボードで壁面収納を作り、空間を有効活用できます。
棚: 石膏ボードと木材を組み合わせて棚を作り、収納スペースを確保できます。
クローゼット: 石膏ボードでクローゼットの壁や棚を作り、収納力をアップできます。
家具の製作

テレビ台: 石膏ボードと木材を組み合わせて、オリジナルのテレビ台を作ることができます。
本棚: 石膏ボードで本棚を作り、壁面を有効活用できます。
カウンター: 石膏ボードでカウンターを作り、おしゃれな空間を演出できます。
石膏ボードに関するQ&A

石膏ボードは、リフォームやDIYでよく使われる建材ですが、その特性や扱い方について、様々な疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
ここでは、石膏ボードに関するよくある疑問をQ&A形式でご紹介します。
Q:石膏ボードはどのように処分すればいいですか?
A: 石膏ボードは、産業廃棄物として扱われるため、一般のゴミとして処分することはできません。
自治体のルールに従って処分するか、専門の業者に依頼する必要があります。
処分方法の例
・自治体の回収: 一部の自治体では、石膏ボードを回収しています。お住まいの自治体の窓口に問い合わせてみましょう。
・専門業者への依頼: 産業廃棄物処理業者に依頼すると、石膏ボードを回収・処分してもらえます。
Q: 石膏ボードは燃えにくい素材だと聞きましたが、本当に耐火性はあるのでしょうか?
A: 石膏ボードは、主成分である石膏が熱に強いため、一定の耐火性を持っています。しかし、過信は禁物です。
石膏ボードの耐火性
石膏ボードは、火災時の延焼を遅らせる効果があります。
建築基準法では、防火地域や準防火地域で使用する石膏ボードに、一定の耐火性能が求められています。
ただし、石膏ボード自体は不燃材ではありません。
Q: 石膏ボードは、防音材として効果があるのでしょうか?
A: 石膏ボードは、ある程度の遮音性を持っていますが、防音材として特化した製品ではありません。
石膏ボードの防音性
石膏ボードは、音を遮断する効果があります。
ただし、単体では十分な防音効果は期待できません。
防音性を高めたい場合は、吸音材や遮音シートなどと組み合わせて使用する必要があります。
防音対策の例
・石膏ボードを二重に貼る
・壁の中にグラスウールなどの吸音材を入れる
・遮音シートを貼る
まとめ

この記事では、石膏ボードの基礎知識から応用まで、様々な情報を網羅してきました。石膏ボードは、壁や天井の基材としてだけでなく、DIYの材料としても非常に優秀な建材です。
この記事を参考に、石膏ボードの知識を深め、リフォームやDIYを通して、理想の空間作りを実現してください。
この記事が、みなさまの石膏ボードに関する情報収集の一助となれば幸いです。
石膏ボードに関してご不明な点等ございましたら、お気軽に株式会社ベータまでお問い合わせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。