マンションでトイレ増設は可能?費用や手順を徹底解説

マンションで「もう一つトイレがあれば便利なのに」と思ったことはありませんか?来客が多いご家庭や二世帯同居の場合、トイレの順番待ちがストレスになることもあります。しかし、マンションでのトイレ増設は戸建てに比べて制約が多く、「そもそも工事は可能なのか?」「費用はいくらかかるのか?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、マンションでのトイレ増設が可能かどうかの判断基準から、工事に必要な手順、費用相場、注意すべきポイントまで徹底解説します。快適な住環境づくりを検討している方は、ぜひ参考にしてください!
目次
マンションでトイレ増設は可能?確認すべき4つのステップ

マンションで「もう一つトイレが欲しい」と考える方は少なくありません。来客時や朝の忙しい時間帯など、トイレが複数あると生活は格段に快適になります。
ただし、マンションでのトイレ増設は一戸建てに比べて制約が多く、事前確認が必須です。ここでは、工事を検討する前に確認すべき4つのステップを解説します。
STEP1 管理規約でリフォームの可否・範囲を確認

トイレの増設工事を始める前に、まず確認すべきはマンションの管理規約です。規約によっては、構造に影響を及ぼす工事や排水経路の変更が制限されている場合があります。
専有部分と共用部分の違いを理解する
リフォームが自由にできるのは「専有部分」に限られます。壁や床の内側は専有部分ですが、排水管や配線の一部は「共用部分」とみなされるケースが多く、勝手に手を加えることはできません。専有部分と共用部分の線引きを理解することが、トイレ増設の第一歩です。
リフォーム申請が必要な工事の範囲
多くのマンションでは、排水管や換気設備に関わる工事は管理組合への申請が必要です。申請が受理されなければ工事ができないため、事前に工事内容を整理し、必要書類を揃えて申請することが重要です。
STEP2 排水方式(壁排水/床排水)の見分け方

トイレの増設では「排水方式」の確認が欠かせません。マンションは物件ごとに壁排水か床排水のどちらかが採用されており、工事のしやすさや費用に大きく影響します。
壁排水と床排水の特徴と見分け方
- 壁排水:便器の後方から排水管が伸びているタイプ。マンションで多く採用されています。設置位置の自由度は低いですが、省スペースで施工できるのが特徴です。
- 床排水:便器の下から排水管が伸びるタイプ。一戸建てで多い方式ですが、一部のマンションでも導入されています。増設の際は床下のスペース確保が必要になります。
見分け方はシンプルで、便器の後ろに排水管があれば壁排水、床から排水管が出ていれば床排水です。
排水高の測定が必要な理由
特に壁排水の場合、排水管の高さ(排水高)が増設の可否に直結します。高さが合わないと逆流やつまりの原因になるため、必ず専門業者に測定してもらいましょう。
STEP3 設置場所の広さ・換気・PSの位置を確認

トイレを増設するには、設置できる物理的な条件をクリアする必要があります。特にスペースの確保・換気の有無・PS(パイプスペース)の位置が大きなポイントとなります。
トイレ設置に必要な最低限のスペース
一般的にトイレ設置に必要な広さは幅70cm × 奥行120cm程度です。これを下回ると、便器を設置できても使い勝手が悪くなり、快適性を損ないます。ドアの開閉スペースや手洗い器の有無も考慮し、余裕のあるレイアウト設計を行うことが重要です。
換気扇設置と建築基準法の要件
建築基準法では、トイレには換気設備の設置が必須とされています。既存の換気ダクトに接続できるか、もしくは新たに換気扇を設置できるかを確認しましょう。換気が不十分だと、湿気や臭いがこもり快適性を損なうだけでなく、法的に認められないケースもあります。
STEP4 高層階は給水方式と水圧も確認

マンションの高層階では、給水方式や水圧がトイレの性能に影響するため、事前の確認が欠かせません。水圧が不足すると流れが悪くなるトラブルにつながります。
タンクレストイレ設置時の注意点
タンクレストイレはデザイン性が高く、省スペースで人気ですが、一定以上の水圧が必要です。高層階や水圧の弱いマンションでは正常に流れない可能性があるため、事前に業者に水圧を測定してもらうことをおすすめします。
ブースター付きトイレという選択肢
水圧が足りない場合には、ポンプ機能(ブースター)が付いたトイレを導入する方法もあります。これにより、従来は設置が難しかった高層階でもタンクレストイレの設置が可能になるケースがあります。
マンションでトイレ増設するメリット・デメリット

マンションでのトイレ増設は、生活の快適さを大きく向上させる一方で、コストやスペースの制約といった課題も伴います。ここでは、実際に増設した場合に得られるメリットと、あらかじめ理解しておきたいデメリットを整理します。
トイレ増設で得られる3つのメリット

①朝のトイレ渋滞解消でストレス軽減
家族が多い家庭では、朝の身支度の時間帯にトイレ待ちが発生しがちです。トイレをもう一つ設けることで、渋滞やイライラを解消し、時間のロスも防げます。
②将来の介護や体調不良への備え
高齢になった際の介護や、体調を崩したときのことを考えると、トイレが複数あるのは安心です。寝室の近くやバリアフリーに配慮した場所に設置しておけば、将来の暮らしに備える意味でも有効です。
③来客時の気兼ねない使用
友人や親戚が集まるときに、来客用と家族用でトイレを分けられるのは大きな利点です。プライベート空間を守りつつ、来客も気兼ねなく利用できるのは快適な住まいづくりに直結します。
事前に知っておくべき3つのデメリット

①設置スペース確保による間取りの制約
トイレの増設には最低限の広さが必要です。その分、収納や居室スペースを削ることになるため、間取りの自由度が制限される点はデメリットといえます。
②工事費用と工期による生活への影響
トイレの増設は、排水や給水のルートを新たに確保するため、費用が高額になりやすく、工期も数日から数週間かかる場合があります。その間は日常生活に不便が生じる点を考慮しましょう。
③掃除の手間が2倍になる点
トイレが増えるということは、その分の掃除も増えるということです。日常的な清掃やメンテナンスの負担が増すのは意外と見落とされがちなポイントです。
マンションのトイレ増設にかかる費用相場

マンションでトイレを増設する場合、総額で40万〜150万円程度が一般的な相場です。ただし、設置場所や排水経路の条件によって費用は大きく変動します。ここでは工事内容別の費用内訳と、費用を左右する要因について解説します。
工事内容別の費用内訳

トイレ本体・設備費用(10万〜50万円)
トイレ本体の価格は、シンプルな洋式便器であれば10万円前後、温水洗浄便座やタンクレスなど高機能モデルを選ぶと30万〜50万円が目安となります。デザイン性や節水機能を重視するかによって価格差が生じます。
配管・電気・内装工事費用(25万〜120万円)
トイレの増設工事では、給排水管の延長、電気配線の新設、床・壁の内装仕上げが必要です。既存配管から近い場所に設置できれば25万〜50万円程度で済むこともありますが、配管距離が長い場合や壁・床の大規模な開口工事を伴うと、100万円を超えるケースもある点に注意が必要です。
費用を左右する要因

既存配管からの距離による工事難易度
トイレ増設で最も費用に影響するのが、既存配管からの距離です。近ければ配管工事も簡単で済みますが、遠い場合は床や壁を大きく壊す必要があり、工期も費用も増大します。
選択するトイレのグレードとオプション
トイレ本体の種類やオプションも費用差を生みます。例えば、タンクレストイレや全自動洗浄機能付きモデルは高額になりがちです。基本的なモデルを選べばコストを抑えられる一方、快適性を重視すると予算は膨らみます。
排水圧送ポンプ使用時の追加費用

特殊な配管状況での対応方法
マンションの構造によっては、重力だけでは排水が流せないケースがあります。その場合は排水圧送ポンプを設置して強制的に流す方式が必要です。
ポンプ設置による15万円の追加費用目安
排水圧送ポンプを設置すると、本体・工事費込みで15万円前後の追加費用がかかります。特殊な工法となるため、設置可能かどうかは必ず専門業者に確認しましょう。
マンションのトイレ増設工事の流れ

マンションでトイレを増設するには、リフォーム会社選び・管理組合への申請・工事実施という3つのステップを踏む必要があります。流れを理解しておくことで、スムーズに計画を進めることができます。
リフォーム会社選びから契約まで

信頼できるリフォーム会社を選ぶことが、トイレ増設成功の第一歩です。
現地調査で確認すべきポイント
現地調査では、配管の位置・水圧・換気経路・設置可能なスペースなどを細かく確認してもらいます。調査が不十分だと、後から追加費用が発生するリスクがあるため注意が必要です。
複数社見積もり比較のコツ
1社だけで判断せず、最低でも2〜3社の見積もりを比較しましょう。価格だけでなく、工事内容の詳細や保証の有無も比較することが大切です。
管理組合への申請手続き

マンションでのトイレ増設は、必ず管理組合への申請が必要です。
必要書類の準備と申請タイミング
一般的には、工事計画書・図面・使用する設備の仕様書などを提出します。承認に時間がかかる場合があるため、工事を予定する1〜2か月前には申請しておくのが安心です。
近隣住民への配慮と説明方法
トイレ工事は騒音や振動を伴うため、近隣住民への事前説明や挨拶回りは欠かせません。トラブルを避けるためにも、リフォーム会社と協力してしっかり対応しましょう。
工事開始から完成まで

申請が通ったら、いよいよ工事開始です。
工期の目安と生活への影響
トイレ増設工事の工期は、短ければ3〜5日、条件によっては1〜2週間程度かかります。工事期間中は一部の部屋が使えなくなるため、生活動線に影響が出ることを覚えておきましょう。
完成後の確認ポイント
工事が終わったら、排水がスムーズに流れるか・水漏れがないか・換気扇が正常に稼働しているかを必ず確認します。アフター保証の内容もチェックしておけば安心です。
マンション向けおすすめ省スペーストイレ比較

マンションでのトイレ増設や交換では、省スペースかつ排水方式に対応できる製品選びが重要です。ここでは、主要メーカー3社の代表的なモデルを比較し、それぞれの特徴を紹介します。
主要メーカー3社の製品特徴

TOTO ピュアレストQRの壁排水対応力
TOTOの定番モデル「ピュアレストQR」は、壁排水に対応したラインナップが充実しているのが大きな強みです。マンションで採用率の高い壁排水方式に適合しやすく、施工の自由度が高いのが特徴です。さらに、フチなし形状で掃除がしやすい点も人気です。
LIXIL アメージュのコンパクト設計
LIXILの「アメージュ」は、奥行きがコンパクトに設計されているため狭い空間でも設置しやすいのが魅力です。シンプルながら節水性能にも優れており、コストパフォーマンスの高いモデルとして支持されています。
Panasonic アラウーノVのタンクレス仕様
Panasonicの「アラウーノV」は、タンクレス仕様で省スペースを最大限に活かせるモデルです。スッキリしたデザインに加え、洗剤を使って自動で泡洗浄する機能があり、清潔性を保ちやすいのも大きなメリットです。
製品選択時の重要ポイント

排水方式への対応可否
マンションの場合、壁排水か床排水かで設置可能なモデルが変わるため、まずは排水方式を確認することが欠かせません。対応していないモデルを選んでしまうと設置できないので要注意です。
設置スペースとデザイン性のバランス
トイレ空間は限られているため、コンパクトさとデザイン性の両立が大切です。省スペース設計であっても、使用感や清掃性を犠牲にしないモデルを選ぶことが快適な暮らしにつながります。
東海エリアのマンションリフォームはベータにお任せください!

マンションリフォームは、建物の構造や管理規約などの制約が多く、経験豊富な専門会社に依頼することが成功のカギとなります。ベータは、東海エリアで数多くのマンションリフォームを手がけてきた実績があり、地域の特性や管理組合とのやり取りにも精通しています。
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まとめ

マンションでのトイレ増設は、管理規約・排水方式・設置スペース・水圧など、事前に確認すべき条件が多くあります。条件を満たせば、朝のトイレ渋滞の解消や来客時の快適さ、将来の介護への備えなど、多くのメリットを得られます。
一方で、費用や工期、間取りの制約、掃除の手間といったデメリットも存在するため、事前にしっかり検討することが大切です。
費用相場はおおよそ40万〜150万円が目安ですが、排水方式や設置場所によって大きく変わるため、信頼できるリフォーム会社に現地調査を依頼し、複数社の見積もりを比較することが成功の近道です。
マンションで快適に暮らすために、トイレ増設を検討している方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください!