ウレタン防水とは?メリット・デメリット、費用相場を徹底解説

近年、異常気象によるゲリラ豪雨や台風の増加で、住宅の防水対策への関心が高まっています。
特に、築年数が経過した住宅では、屋根やベランダなどの防水層の劣化が進み、雨漏りのリスクが高まります。

「うちの家は大丈夫だろうか…」

そう不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

防水工事は、大切な住まいを雨水から守り、建物の寿命を延ばすために欠かせないメンテナンスです。
中でも「ウレタン防水」は、その高い防水性能と柔軟性から、戸建て住宅からマンション、商業施設まで、幅広い建物で採用されています。

この記事では、「ウレタン防水ってよく聞くけど、実際どんなもの?」「うちの家にも必要なの?」といった疑問をお持ちのあなたに向けて、ウレタン防水の基本から、メリット・デメリット、費用相場まで、徹底的に解説します。

ウレタン防水とは?

ウレタン防水の基本的な仕組みと特徴

ウレタン防水とは、液状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を形成する工法です。
ウレタン樹脂は、化学反応によって硬化するとゴム状の弾性体となり、優れた防水性能を発揮します。

特徴:

高い柔軟性と追従性:
・ウレタン樹脂は伸縮性に優れているため、建物の動きやひび割れに追従し、防水層の破断を防ぎます
多様な場所への施工:
・液状であるため、複雑な形状の場所や狭い場所にも継ぎ目なく施工できます
既存防水層への重ね塗り:
・改修工事では、既存の防水層の上から重ね塗りできるため、工期やコストを抑えられます
継ぎ目のない美しい仕上がり:
・塗膜防水であるため、継ぎ目がなく、美しい仕上がりになります

他の防水工法との比較

主な防水工法としては、ウレタン防水の他にシート防水、FRP防水などがあります。
それぞれの特徴を比較してみましょう。

シート防水:
・合成ゴムや塩化ビニルなどのシートを貼り付けて防水層を形成する工法です。
広い面積の施工に適しており、耐久性に優れています。
・ただし、複雑な形状の場所には不向きで、シートの継ぎ目からの浸水リスクがあります。

FRP防水:
・ガラス繊維強化プラスチック(FRP)を塗り重ねて防水層を形成する工法です。
硬くて丈夫な防水層を形成し、耐薬品性や耐摩耗性に優れています。
ベランダやバルコニーなど、比較的歩行頻度の高い場所に適しています。
・しかし、ひび割れしやすいという側面もあります。

アスファルト防水:
・アスファルトを主成分とした防水工法です。
・歴史が長く、耐久性、防水性能が高いです。
・重量があるため、建物への負担が大きいです。
・施工時に臭いがでる、施工できる業者が減ってきているなどの側面があります。

比較表

防水工法特徴メリットデメリット適した場所
ウレタン防水柔軟性、追従性、継ぎ目のない仕上がり複雑な形状への施工、改修に適している、比較的安価耐用年数が比較的短い、職人の技術による仕上がりの差がある。屋上、ベランダ、バルコニーなど
シート防水耐久性、広い面積への施工耐久性が高い、広い面積の施工に適している複雑な形状には不向き、継ぎ目からの浸水リスクがある。屋上、陸屋根など
FRP防水硬くて丈夫、耐薬品性、耐摩耗性耐久性、耐薬品性、耐摩耗性に優れているひび割れしやすい。ベランダ、バルコニーなど
アスファルト防水歴史が長い、耐久性、防水性能が高い。耐久性、防水性能が高い。重量がある。施工時に臭いがでる。屋上、地下など。

ウレタン防水のメリット

メリット

ウレタン防水は、その優れた性能と多様性から、多くの建物で採用されています。
ここでは、ウレタン防水の主なメリットについて詳しく解説します。

柔軟性と追従性

ウレタン防水の最大のメリットは、その高い柔軟性と追従性です。
ウレタン樹脂は、硬化後もゴム状の弾性体となるため、建物の動きやわずかなひび割れにも追従し、防水層の破断を防ぎます。

地震が多い日本において、建物の揺れに強いウレタン防水は非常に有効な防水工法と言えるでしょう。

多様な場所への施工可能性

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を形成するため、複雑な形状の場所や狭い場所にも継ぎ目なく施工できます
屋上やベランダはもちろん、玄関ポーチや窓枠の周りなど、さまざまな場所に対応可能です。

比較的安価な施工費用

他の防水工法と比較して、ウレタン防水は比較的安価に施工できるというメリットがあります。
既存の防水層の上から重ね塗りできる場合もあり、その場合は既存の防水層を剥がす費用や、処分費用等もかからないため、さらに費用を抑えることができます。

継ぎ目のない美しい仕上がり

ウレタン防水は、塗膜防水であるため、継ぎ目がなく、美しい仕上がりになります。
外観を損なわないだけでなく、継ぎ目からの浸水リスクも回避できます。

カラーバリエーションも豊富なため、建物の外観に合わせて色を選ぶことも可能です。

メンテナンスの容易さ

ウレタン防水は、定期的なメンテナンスを行うことで、より長く防水性能を維持できます。
メンテナンスは、主にトップコートの塗り替えを行います。

比較的容易に行えるため、メンテナンス費用を抑えることができます。

ウレタン防水のデメリット

デメリット

ウレタン防水は多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
ここでは、ウレタン防水の主なデメリットについて詳しく解説します。

比較的短い耐用年数

ウレタン防水の耐用年数は、一般的に10年前後と言われています。

他の防水工法と比較して、やや短い傾向にあります。
これは、ウレタン樹脂が紫外線や熱の影響を受けやすく、経年劣化しやすいことが原因です。

定期的なメンテナンスを行うことで、耐用年数を延ばすことは可能です。

職人の技術による仕上がりの差

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を形成するため、職人の技術によって仕上がりに差が出やすいというデメリットがあります。
熟練した職人が施工すれば、均一で美しい防水層を形成できますが、経験の浅い職人が施工すると、厚みにムラができたり、気泡が入ったりする可能性があります。

定期的なメンテナンスの必要性

ウレタン防水は、定期的なメンテナンスが必須です。
特に、トップコートは紫外線や雨風の影響を受けやすいため、5年~10年を目安に塗り替えを行う必要があります

メンテナンスを怠ると、防水層の劣化が進み、雨漏りの原因となる可能性があります。

工期が比較的長い

ウレタン防水は、複数の層を塗り重ねる必要があるため、他の防水工法と比較して工期が長くなる傾向があります。
天候にも左右されやすく、雨天の場合は工事が中断することもあります。

ウレタン防水の費用相場

費用

ウレタン防水の費用は、様々な要因によって変動します。
ここでは、一般的な費用相場と内訳、メンテナンス費用の目安について解説します。

施工面積、工法、業者による費用変動

ウレタン防水の費用は、主に以下の要因によって変動します。

施工面積:
・施工面積が広くなるほど、材料費や人件費が増加するため、費用は高くなります。
工法:
・ウレタン防水には、密着工法、通気緩衝工法などがあり、工法によって材料や工程が異なるため、費用も変動します。
業者の料金設定:
・業者によって、人件費や諸経費の設定が異なるため、費用に差が出ます。
下地の状態:
・下地の状態が悪い場合は、下地処理の工程が追加されるため、費用が高くなることがあります。
使用する材料:
・ウレタン樹脂にも様々な種類があり、耐久性の高い高機能な物を使用すると費用は高くなる傾向があります。

一般的な費用相場と内訳

ウレタン防水の一般的な費用相場は、1㎡あたり4,000円~8,000円程度です。
ただし、上記のように様々な要因によって変動するため、あくまで目安としてください。

〇費用内訳の例

材料費:
・ウレタン樹脂、プライマー、トップコートなど
人件費:
・職人の作業費
諸経費:
・足場設置費、養生費、廃材処分費など

メンテナンス費用の目安

ウレタン防水のメンテナンスは、主にトップコートの塗り替えを行います。
トップコートの塗り替え費用の目安は、1㎡あたり2,000円~4,000円程度です。

トップコートの塗り替え時期は、使用する塗料や環境によって異なりますが、5年~10年を目安に行うと良いでしょう。

費用を抑えるためのポイント:

  • 複数の業者から見積もりを取り、比較検討する。
  • 相見積もりを取る際は、費用の内訳をしっかりと確認する。
  • 助成金や補助金制度を利用できるか確認する。
  • 定期的なメンテナンスを行う事で、防水層を長持ちさせ、結果的に費用を抑える。

注意点:
・極端に安い見積もりには注意が必要です。手抜き工事や粗悪な材料を使用している可能性があります。
・見積もりの際には、保証内容やアフターサービスについても確認しましょう。

まとめ

まとめ

この記事では、ウレタン防水について、その基本的な仕組みからメリット・デメリット、費用相場、メンテナンス方法まで詳しく解説しました。

ウレタン防水は、その高い柔軟性と追従性から、建物の動きやひび割れに強く、多様な場所への施工が可能です。
比較的安価に施工でき、継ぎ目のない美しい仕上がりも魅力です。

一方で、耐用年数が比較的短く、職人の技術によって仕上がりに差が出やすいというデメリットもあります。
定期的なメンテナンスが必要であり、工期が比較的長い点も考慮する必要があります

費用相場は、施工面積や工法、業者によって変動しますが、一般的な目安を参考に、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが大切です。


この記事が、みなさまの工場の床塗装に関する情報収集の一助となれば幸いです。

ウレタン防水に関してご不明な点等ございましたら、お気軽に株式会社ベータまでお問い合わせください。
経験豊富な専門のスタッフが誠意をもって対応させていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

森 卓也

森 卓也

㈱ベータ取締役。
平成元年生まれ。三重県亀山市出身。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。
大学院在学中に不動産管理法人を設立し、20代で不動産オーナーに。
大学院(MBA)や不動産オーナーの経験を活かし、リフォーム費用を抑えるコツや信頼できる業者選びの秘訣など、リフォームに関して有益な情報を発信。

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