スレート瓦とは?種類・特徴・メリット・デメリットを徹底解説

屋根材として広く使われているスレート瓦。
しかし、その種類や特徴、メリット・デメリットについて詳しく知っている方は少ないかもしれません。
この記事では、スレート瓦とは何か、種類、特徴、メリット・デメリット、そして施工と費用について詳しく解説していきます。
目次
スレート瓦とは?

スレート瓦の定義と概要
スレート瓦は、セメントに繊維素材などを混ぜて薄い板状に成形し、屋根材として使用される瓦の一種です。
その特徴は、比較的安価で軽量、そしてデザインの自由度が高いことです。日本の住宅では、特に1970年代以降、広く普及しました。
形状は、平らなものが主流ですが、波形や瓦状のものなど、様々なバリエーションがあります。
また、色も豊富で、住宅の外観に合わせて選ぶことができます。
スレート瓦の成分
スレート瓦の主成分は、セメントと繊維素材です。
かつては、強度を高めるためにアスベスト(石綿)が使用されていましたが、健康被害が問題となり、現在は使用されていません。
現在は、パルプやガラス繊維などが使用されています。
スレート瓦の種類
スレート瓦は、大きく分けて「天然スレート」と「化粧スレート」の2種類があります。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
天然スレート

天然スレートは、粘板岩を薄く加工したもので、古くからヨーロッパを中心に屋根材として使用されてきました。
天然素材ならではの自然な風合いと、耐久性の高さが魅力です。
特徴:
・天然素材のため、一つひとつ表情が異なる
・耐久性が非常に高く、100年以上持つものもある
・独特の重厚感と高級感がある
注意点:
・高価である
・加工が難しく、施工できる業者が限られる
・重量があるため、建物への負荷が大きい
化粧スレート

化粧スレートは、セメントに繊維素材を混ぜて成形したもので、現在、日本で最も普及しているスレート瓦です。
天然スレートに比べて安価で、デザインのバリエーションも豊富です。
特徴:
・比較的安価で、施工しやすい
・軽量で、建物への負荷が少ない
・カラーバリエーションが豊富で、様々なデザインに対応できる
代表的な種類:
・コロニアル: 平板状のシンプルな形状で、最も一般的な化粧スレート
・ニューウェーブ: 波状の形状で、立体感のあるデザイン
注意点:
・天然スレートに比べて耐久性が低い
・定期的なメンテナンスが必要
スレート瓦の特徴

スレート瓦は、その形状やデザイン、色や質感、重量や厚みなど、様々な特徴を持っています。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
形状とデザイン
スレート瓦の形状は、大きく分けて「平板型」と「波形型」があります。
平板型:
・シンプルでベーシックな形状
・和風・洋風どちらの住宅にもマッチする

波形型:
・立体感のあるデザイン
・モダンな住宅に人気

また、スレート瓦には、様々なデザインがあります。
例えば、コロニアルやニューウェーブなど、メーカーによって様々なバリエーションがあります。
色と質感
スレート瓦の色は、赤や黒、茶色など、様々な種類があります。
また、表面の質感も、艶消しや光沢など、様々な種類があります。
重量と厚み
スレート瓦は、粘土瓦に比べて軽量です。
そのため、建物への負荷が少なく、地震や風などの自然災害に強いのが特徴です。
また、厚みも薄いため、施工が容易です。
スレート瓦のメリット

スレート瓦には、様々なメリットがあります。
その中でも、特に注目すべきメリットを3つ紹介します。
施工性とコストパフォーマンス
スレート瓦は、軽量で施工が容易です。
そのため、工期が短く、コストを抑えることができます。
また、デザインのバリエーションが豊富で、様々な住宅に対応できます。
デザイン性とカラーバリエーション
スレート瓦は、天然素材ならではの自然な風合いと、様々なデザインが魅力です。
また、カラーバリエーションも豊富で、住宅の外観に合わせて選ぶことができます。
耐震性と耐風性
スレート瓦は、軽量で耐震性に優れています。
また、風圧にも強く、台風などの自然災害にも安心です。
スレート瓦のデメリット

スレート瓦は多くのメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットも存在します。
ここでは、特に注意すべき3つのデメリットについて解説します。
耐用年数とメンテナンス
化粧スレートの場合、一般的に耐用年数は20~30年程度と言われています。
天然スレートに比べると短く、定期的なメンテナンスが不可欠です。
メンテナンスの必要性:
・塗装の剥がれやひび割れを放置すると、雨漏りの原因になります。
・定期的な塗装によって、防水性を維持し、寿命を延ばすことができます。
メンテナンスの頻度と費用:
・5~10年ごとに塗装が必要になる場合があります。
・メンテナンス費用は、屋根の面積や状態によって異なります。
ひび割れや割れやすさ
化粧スレートは、衝撃に弱く、ひび割れや割れが発生しやすいというデメリットがあります。
原因:
・強風や飛来物による衝撃
・経年劣化による素材の劣化
・施工不良
対策:
・定期的な点検で早期発見に努める
・ひび割れや割れを発見したら、速やかに修理する
・業者選びは慎重に行う
遮音性と断熱性
スレート瓦は、粘土瓦などに比べて遮音性や断熱性が低い傾向があります。
遮音性:
・雨音などが室内に響きやすい場合があります。
・防音対策として、屋根材の下に遮音シートを施工する方法があります。
断熱性:
・夏場は屋根の温度が上昇しやすく、室内温度も上がりやすい場合があります。
・断熱対策として、断熱材を施工する方法があります。
スレート瓦の施工と費用

スレート瓦の施工方法や費用は、新築時と葺き替え・カバー工法で異なります。
それぞれの施工方法と費用相場、業者選びのポイントについて解説します。
新築時の施工方法
新築時にスレート瓦を施工する場合、以下の手順で行います。
①下地処理:
・屋根の下地となる野地板を設置します。
・防水シートを敷き、雨水の浸入を防ぎます。
②瓦の設置:
・軒先から順に、スレート瓦を葺いていきます。
・専用の釘や金具で瓦を固定します。
③仕上げ:
・棟や軒先などの役物を取り付けます。
・必要に応じて、シーリング処理を行います。
葺き替え・カバー工法の費用相場
スレート瓦の葺き替えやカバー工法の費用は、以下の要素によって変動します。
- 屋根の面積
- 既存の屋根材の種類
- 使用するスレート瓦の種類
- 足場の設置
- 廃材の処分費用
葺き替え
既存の屋根材を撤去し、新しいスレート瓦に葺き替える工事です。
・費用相場:100万円~200万円
カバー工法
既存の屋根材の上に、新しいスレート瓦を重ねて葺く工事です。
・費用相場:70万円~140万円
業者選びのポイント
スレート瓦の施工を依頼する業者を選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
実績と評判:
・スレート瓦の施工実績が豊富か
・口コミや評判が良いか
見積もり:
・複数の業者から見積もりを取り、比較検討する
・見積もりの内訳が明確か
保証内容:
・施工後の保証内容が充実しているか
資格と許可:
・必要な資格や許可を持っているか
まとめ

この記事では、屋根材の一つであるスレート瓦について、その定義、種類、特徴、メリット・デメリット、そして施工と費用について詳しく解説してきました。
スレート瓦は、施工性とコストパフォーマンスに優れ、デザインのバリエーションも豊富なため、多くの住宅で採用されてきました。
しかし、耐用年数やメンテナンス、ひび割れやすさ、遮音性・断熱性には注意が必要です。
スレート瓦は、適切な知識を持ち、メンテナンスをしっかりと行えば、長く安心して使える屋根材です。
この記事が、みなさまのスレート瓦に関する情報収集の一助となれば幸いです。
スレート瓦に関してご不明な点等ございましたら、お気軽に株式会社ベータまでお問い合わせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。