マンション室内段差をなくすリフォーム|原因と解消方法を徹底解説

マンション室内段差をなくすリフォーム|原因と解消方法を徹底解説

マンションで生活していると、「キッチンだけ床が高い」「トイレに入るときに段差がある」など、室内のちょっとした段差に違和感や不便を感じることはありませんか?
高齢者や小さなお子様がいる家庭では、つまずきや転倒のリスクにもつながるため、段差の解消は安全で快適な住まいづくりに欠かせないポイントです。

本記事では、なぜマンションに段差が生じるのかといった構造上の原因から、それを解消するための具体的なリフォーム方法、さらには費用相場や注意点までをわかりやすく解説します。
段差のないフラットな暮らしを実現したい方は、ぜひ最後までご覧ください!

目次

マンション室内に段差ができる原因と構造

マンション室内に段差ができる原因と構造

マンションのリフォームや内覧時に気になる「室内の段差」
バリアフリーが進む現代においても、なぜ段差が存在するのか不思議に思う方は多いかもしれません。

実はその背景には、マンション特有の構造的理由と施工上の工夫が隠されています。
ここでは、段差が生じる主な原因と、段差ができやすい場所について詳しく解説します。

段差が生じる主な原因「置床工法」とは

給排水配管を通すための床下空間確保が主要因

マンションでは、床下に配管スペースを確保する必要があります。
特にキッチンや洗面所、トイレなどの水回りには、排水管の勾配を確保するために一定の高さが必要となります。

このため、床を一段高く持ち上げる「置床(おきゆか)工法」が採用されることが多く、結果として室内に段差が生まれるのです。

遮音等級規定に則った防音対策としての置床構造

もう一つの大きな理由が「防音対策」です。マンションでは上下階の生活音を抑えるため、建築基準法で定められた遮音性能を確保する必要があります。
置床工法を用いることで、床下に遮音材や防振ゴムを敷き詰めることができ、遮音性が向上します。

しかし、この構造によって床の厚みが増し、隣接する部屋との間に段差が生じやすくなるのです。

段差ができやすい場所と特徴

水回り(キッチン・トイレ・洗面所・浴室)周辺の段差

水回りは、配管の集約や防水処理が必要となるため、床を高く設定するケースが多く見られます
例えば、ユニットバスを設置する際には、既存の床よりも数センチ高くする必要があり、廊下との間に段差が生じやすくなります。

また、リフォーム時にも配管経路を確保するために段差を残す設計が選ばれることがあります。

リビングと廊下の境目や和室と洋室の境界部分

生活空間の用途によって仕上げ材や構造が異なる場合も、段差ができる原因になります。
たとえば、リビングと廊下で床材の厚さが異なる場合や、畳敷きの和室とフローリングの洋室を隣接させる場合などです。

これらの場所では、わずかな段差でも転倒リスクや生活のしづらさにつながるため、バリアフリー化を考慮した設計やリフォームが重要になります。

マンション段差解消リフォームの工法と特徴

マンション段差解消リフォームの工法と特徴

室内の段差は、つまずきや転倒のリスクを高めるだけでなく、毎日の移動を煩わしく感じさせる要因となります。
特に高齢者や小さなお子様がいる家庭では、安全面・快適性の向上を目的に、段差解消リフォームを検討される方が増えています。

ここでは、マンションで採用される段差解消リフォームの代表的な工法とそれぞれの特徴を解説します。

スケルトンリノベーションによる根本的解決

配管計画からやり直す全面改修の効果とメリット

最も根本的な段差解消方法が、スケルトンリノベーションによる全面改修です
内装・設備をすべて撤去し、コンクリートの躯体だけを残した状態から間取りや配管計画を一新します。

この工法では、配管経路を最適化することで床下の高さを抑えられ、段差のないフラットな床を実現できます。
また、将来的なメンテナンス性や断熱・防音性能の向上も期待できるため、長期的な住環境の改善につながります。

構造躯体を残した大規模リフォームの施工手順

スケルトンリノベーションでは、まず解体工事で内装や床材をすべて撤去し、構造躯体を露出させます。
次に、電気・給排水などのインフラを再構築しながら、段差のない床構造を設計。置床の高さを調整したり、必要に応じて配管経路を変更したりすることで、各部屋をフラットにつなげることが可能になります。

大規模な工事になるため、費用や工期はかかりますが、段差の根本解消には最も効果的な方法です

置床工法による段差統一リフォーム

部屋全体の床レベルを統一する施工方法

既存の段差を解消しつつ、構造体を大きくいじらずに済むのが置床工法による段差統一リフォームです
床材の下に支持脚やパネルを用いて高さを調整し、廊下からリビング、各居室までの床レベルをそろえる施工方法です。

水回りの床が高くなっている場合でも、他の部屋を同じレベルまでかさ上げすることで、全体をバリアフリー化できます。

遮音性・断熱性向上効果と天井高への影響

置床工法には段差解消だけでなく、遮音性や断熱性を高める効果もあります。
床下に断熱材や遮音マットを組み込むことができるため、快適性が向上します。

ただし、床全体をかさ上げする分、天井高がその分低くなる点には注意が必要です
既存の天井高に余裕がある場合に適した工法といえるでしょう。

部分的な段差解消工法

スロープ設置や段差部分のかさ上げ工事

全体改修が難しい場合や予算を抑えたい場合には、部分的な段差解消工法が有効です
段差部分にスロープを設置したり、段差自体をかさ上げしてフラットに近づけたりする方法が一般的です。

これらは比較的短期間・低コストで実施可能であり、限定的な改善には適しています。

手すり設置と滑り止め対策の組み合わせ

段差の高さがわずかで、完全な解消が困難な場合は、手すりや滑り止めシートなどの安全対策を組み合わせることで、つまずきや転倒リスクを軽減できます。
特に高齢者がいるご家庭では、段差の存在を認識しやすくする視覚的な工夫や、夜間照明の設置なども効果的です。

段差解消リフォームの費用相場と注意点

段差解消リフォームの費用相場と注意点

段差解消リフォームは、安全性と快適性を高めるために非常に有効ですが、その工法や規模によって費用や施工内容が大きく異なります。
また、マンション特有の制限や構造の問題もあり、事前の確認が非常に重要です。

ここでは、主な工法別の費用相場と注意点、さらに段差を活かしたデザインの考え方について紹介します。

工法別の費用相場と工期

スケルトンリノベーション(500万円~)と置床工法(100万円~)

段差を根本から解消するスケルトンリノベーションは、すべての内装や設備を撤去して再構築する大規模工事であり、費用は500万円〜1,000万円程度が目安です。
工期は2〜3カ月以上かかるケースが一般的です。

一方、置床工法で部屋全体の床の高さを揃えるリフォームは、比較的簡易で、100万円〜300万円程度
工期は2〜3週間程度とスケルトンより短く、費用面でも取り入れやすい選択肢です。

部分改修(10万円~50万円)の価格帯と施工期間

廊下と洗面所の段差、玄関のかかと上がりなど、限定的な段差を解消する部分改修では、費用は10万円〜50万円が相場です。
スロープ設置や床材のかさ上げなど、1〜3日程度で完了する短期工事も多く、日常生活に与える影響も少ないのがメリットです。

リフォーム前に確認すべき重要ポイント

マンション管理規約と共用部分の制約事項

マンションリフォームでは、必ず「管理規約」「使用細則」を確認する必要があります。
特に、床のかさ上げが共用部分(スラブ)に影響を与える場合や、遮音等級の変更が必要な場合は、事前に管理組合の承認が必要です。
無許可で工事を進めると、後から原状回復を求められるリスクもあるため注意が必要です。

構造上変更できない箇所と事前調査の必要性

マンションの構造によっては、床をこれ以上上げられない、排水管の勾配が確保できないなど、物理的に変更できない部分があります。
事前に建築図面や現地調査を行い、構造上の制約を把握しておくことで、無理のない計画を立てることができます。
信頼できる施工業者による現地確認が重要です。

段差を活かすデザインという選択肢

段差を空間の仕切りとして活用するアイデア

必ずしも段差をなくす必要はありません。
段差をデザインの一部として活用し、空間のゾーニングに役立てる手法もあります。

例えば、リビングとダイニングの間に段差を設けることで、視覚的にも空間の用途を明確に分けることができます。
段差を活かすことで、空間に変化と立体感を持たせることが可能です。

小上がり和室や書斎スペースとしての段差利用法

段差を利用して「小上がりの和室」や「床上げされた書斎コーナー」を設けることで、空間の使い方に幅を持たせることができます。
床下に収納を設けるなど、機能性を高める工夫も人気です。
段差を単なる障害と捉えるのではなく、暮らしを豊かにする要素として取り入れることも、リフォームの一つの選択肢です。

東海エリアのマンションリフォームはベータにお任せください!

株式会社ベータ

ベータは、名古屋を中心とした東海エリア(愛知・岐阜・三重)で多くのマンションリフォーム実績を誇る地域密着型のリフォーム会社です。
構造や管理規約など、マンション特有の制約を熟知したスタッフが、お客様一人ひとりのご要望に合わせて最適なプランをご提案します。

水回りのリニューアルから、段差解消やバリアフリー化、間取り変更を含むスケルトンリノベーションまで、幅広く対応可能。
住まいの安全性・快適性・デザイン性を高めるために、細部まで丁寧に施工いたします。

地元ならではのきめ細やかな対応と、豊富な経験に基づく確かな技術で、リフォーム後の暮らしをより豊かに。
東海エリアでマンションリフォームをご検討中の方は、ぜひ一度ベータにご相談ください
無料見積もり・現地調査も承っております。

まとめ

まとめ

マンション室内の段差は、見た目の違和感だけでなく、安全性や生活のしやすさにも大きな影響を与える要素です。
段差の原因には、配管スペースの確保や遮音対策など、マンション特有の構造的な背景があります。

リフォームによる段差解消は、スケルトンリノベーションのような全面改修から、置床工法や部分的な対応まで、目的と予算に応じてさまざまな方法があります。
加えて、マンション管理規約や構造上の制約を事前に確認することも重要です。

また、あえて段差を活かしたデザインを取り入れるという選択肢も、住まいをより魅力的にする工夫のひとつです。
段差にお悩みの方は、まずは専門業者に相談し、ご自宅に最適な解決策を検討してみましょう!

快適で安心な暮らしの第一歩は、正しい知識と確かな施工から始まります。

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この記事を書いた人

森 卓也

森 卓也

㈱ベータ取締役。
平成元年生まれ。三重県亀山市出身。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。
大学院在学中に不動産管理法人を設立し、20代で不動産オーナーに。
大学院(MBA)や不動産オーナーの経験を活かし、リフォーム費用を抑えるコツや信頼できる業者選びの秘訣など、リフォームに関して有益な情報を発信。

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