マンション防音室リフォーム費用と注意点

マンションで楽器演奏や動画配信、在宅ワークを行う方が増える中、「周囲への音漏れが気になる」「もっと集中できる環境を整えたい」と、防音室のリフォームを検討する方も多くなっています。
しかし、防音リフォームには高額な費用がかかるだけでなく、マンション特有の制約や注意点も多数存在します。
工事内容や防音性能の基準を正しく理解しないまま進めると、「思ったより音が漏れる」「管理組合とトラブルになった」などの失敗につながることも。
このブログでは、マンションにおける防音室リフォームの費用相場や工法の違い、防音性能の基礎知識に加え、施工時の注意点や業者選びのコツまで、初めての方にも分かりやすく解説します。
快適で安心な防音空間を手に入れるために、ぜひ参考にしてください!
目次
マンション防音室リフォームの費用相場

楽器演奏や動画配信、ホームシアターなど、自宅で音を気にせず楽しむために防音室リフォームを検討する方が増えています。
しかし、気になるのはやはり費用面。防音室は用途や施工方法によって価格が大きく変わります。
ここでは、リフォームの種類や部屋の広さ、構造の違いによる費用相場について詳しく解説します。
防音室リフォーム費用の目安

6畳・7畳・8畳の費用相場
防音室リフォームは、部屋の広さに比例して費用が上がります。
以下は、一般的な目安です。
- 6畳の防音室:約200万〜400万円
- 7畳の防音室:約250万〜450万円
- 8畳の防音室:約300万〜500万円
※演奏する楽器の種類(ピアノ・ドラム・ギターなど)や防音性能のレベルによって、さらに変動します。
RC造・木造で費用が変わる理由
マンションの構造によって、防音工事にかかるコストも変わります。
- RC(鉄筋コンクリート)造:もともと遮音性が高いため、追加工事が少なくて済む傾向があります。そのため費用を抑えやすいのが特徴です。
- 木造・鉄骨造:遮音性能がRCより劣るため、防音材の厚みや施工工程が増えることも。結果として工事費が高くなるケースが多くなります。
ユニットタイプとリフォームタイプの違い
防音室には大きく分けて「ユニットタイプ」と「リフォームタイプ」の2種類があります。
それぞれの特徴と費用について見ていきましょう。
工事不要のユニットタイプの費用

ユニットタイプは、メーカーが設計・製造した組み立て式の防音室です。
マンションの一室に設置する形で、設置時間も短く、原状回復もしやすいのが魅力です。
- 費用相場:約100万〜300万円
- メリット:設置が簡単、工事不要、賃貸でも設置可能なケースあり
- デメリット:完全な密閉空間ではないため、防音性能に限界がある
オーダー型リフォームタイプの費用

一方、リフォームタイプは部屋全体を本格的に防音仕様に改装する方法です。
遮音性能・吸音性能を高められる反面、費用と工期がかかるのが特徴です。
- 費用相場:約200万〜600万円
- メリット:高い防音性能、自由なレイアウト設計
- デメリット:工期が長い、原状回復が難しい、費用が高い
防音室リフォームの基本知識

防音室リフォームでは、単に壁を厚くすればよいわけではありません。
音の性質や伝わり方を理解し、それに応じた対策を講じることが重要です。
この章では、防音の基本的な仕組みや部位別の工夫について解説します。
防音工事の仕組みと重要ポイント

吸音・遮音・防振の違い
防音工事では、主に以下の3つの技術が使われます。
それぞれの役割と違いを理解することが、効果的なリフォームの第一歩です。
- 吸音:音を吸収して反響や音のこもりを抑える技術。音の質感を整える目的にも使われます。
- 遮音:音を外に漏らさない、または外からの音を入れないための対策。厚みや質量のある壁材が使われます。
- 防振:床や壁を通じて伝わる振動音(衝撃音)を抑える技術。機械的な振動や低音に対して効果を発揮します。
これらをバランスよく組み合わせることが、防音室の快適さを左右します。
D値(遮音等級)で分かる性能基準
防音性能を数値で表す指標が「D値(遮音等級)」です。
これは隣接する部屋との間でどれだけ音が遮られているかを表すもので、数値が大きいほど高性能です。
- D-40程度:一般的なマンションの壁レベル。日常会話がうっすら聞こえる。
- D-50程度:ピアノやテレビ音が気にならない程度の遮音。
- D-60以上:音楽スタジオや防音室向けの高遮音性能。隣室への音漏れがほぼ気にならないレベル。
目的に応じて、必要な遮音等級を見極めることが重要です。
壁・床・天井・開口部の防音方法
防音室は「箱型」に近い構造を持ち、すべての面(六面)での防音対策が不可欠です。
特に音が漏れやすい「開口部(ドア・窓)」や「床の振動」への対策が重要となります。
防音壁・防音ドア・防音窓の工夫
- 防音壁:多層構造にして遮音シートやグラスウールを挟み込むことで、音の伝達を遮断。
- 防音ドア:厚みのあるドア+気密性を高めるパッキン処理で音漏れを防止。
- 防音窓(二重サッシなど):ガラスの厚みや空気層を利用し、外部からの騒音や音漏れを防ぎます。
ドアや窓のわずかな隙間からも音は漏れるため、「隙間対策」が非常に重要です。
床の浮遮音構造と振動対策
- 浮遮音構造とは、床をコンクリートや下地から“浮かせて施工する”構造で、振動を建物構造へ伝えにくくします。
- 下地と仕上げ材の間に防振ゴムや吸音材を挟むことで、ドラムやベースなどの低周波振動にも効果的。
- 隣戸や下階への配慮が必要なマンションでは特に重要なポイントです。
マンションで防音リフォームする際の注意点

マンションで防音室を設ける場合、戸建てとは異なる制約や注意点が多数存在します。
特に「換気設備」や「エアコンの設置」、「管理規約の制限」は見落としがちですが、防音性能や施工許可に大きく影響する重要項目です。
事前の確認と計画的な対応が、トラブル防止のカギとなります。
換気・エアコン対策

防音性を損なわない換気システム
防音室は気密性が高いため、換気をしないと空気がこもり、室内が不快になることがあります。
しかし、安易に換気口を設けると、そこから音漏れが発生する恐れがあります。
- 防音換気扇(サイレンサー付き)を設置することで、換気と遮音を両立できます。
- ダクトを曲げて音の通り道を遮断する「折り返し構造」も有効。
- 必要に応じて、吸排気を別ルートで確保するセパレート型の換気方式を選ぶとより静音効果が高まります。
エアコン設置の注意ポイント
防音室には、専用のエアコン設置計画も必要です。
室外機の音やパイプの通気口などから音漏れのリスクが発生するため、以下の点に注意しましょう。
- 配管の貫通部には防音処理(防音パテ・防振材)を施す。
- 壁掛けエアコンよりも天井埋込型エアコンのほうが音漏れリスクが少ないケースもあります。
- 室外機の設置場所によっては管理組合の許可が必要になるため、あらかじめ相談しておきましょう。
マンション特有の規約・ルール

管理規約の確認と申請の流れ
マンションでは、共用部分や構造体に関わる工事を行う際、管理組合への申請・許可が必須となります。
防音リフォームも対象となるケースが多く、以下のような流れで進めるのが一般的です。
- 施工内容の確認(設計図・仕様書の提出)
- 管理会社や理事会への事前相談
- リフォーム申請書の提出と審査
- 許可後、工事の実施
とくに床・壁・窓などの工事は構造に影響するため、慎重に審査される傾向があります。
共有部分(サッシ等)に関する制約
マンションの「共有部分」には、住戸に付属しているように見える箇所も含まれます。
たとえば:
- サッシ(窓枠・ガラス)
- 玄関ドアの外側
- バルコニーの床・手すり
これらに無断で手を加えることはできません。防音窓にリフォームする際には、二重サッシを内側に設置するなどの対応が一般的です。
共有部分への工事は、原状回復義務や管理規約違反のリスクもあるため、事前に管理組合と十分な調整が必要です。
防音リフォーム業者の選び方

防音リフォームは専門性が高く、一般的なリフォーム会社では対応しきれない場合もあります。
費用も決して安くないため、信頼できる業者選びが非常に重要です。
ここでは、防音リフォームに適した業者の選び方や、見積もりのチェックポイントを解説します。
防音専門業者を選ぶメリット

実績・施工事例の確認ポイント
防音リフォームを成功させるためには、防音工事に精通した専門業者を選ぶことが大前提です。
- 防音専門業者は、楽器別の防音ノウハウ(ピアノ、ドラム、声楽など)や、マンションの構造に合わせた施工実績を豊富に持っています。
- ホームページやカタログに掲載されている「施工事例」は要チェック。自分の目的と似た条件(広さ・構造・目的)でどのような工事が行われたかを確認しましょう。
- 写真だけでなく、「施工前後のD値(遮音等級)」や「実際の防音性能の変化」が数値で示されていれば、信頼性が高いといえます。
性能保証の有無で安心感が変わる
防音工事は、見た目では仕上がりの良し悪しが分かりにくいものです。
だからこそ、防音性能に対する「保証制度」の有無が重要です。
- 工事後に実際の防音性能を測定し、事前に提示された性能(D-50やD-60など)を達成しているかをチェックしてくれる業者は安心です。
- 万一、基準を満たさなかった場合に再施工や返金対応があるかどうかも確認しておきましょう。
性能保証があることで、施工後のトラブルを未然に防ぐことができます。
見積もり・費用比較のコツ

相場より安い業者に注意
防音リフォームは、材料費・施工手間・設計費などがかかるため、ある程度の価格帯は避けられません。
極端に安い見積もりを出す業者には、以下のようなリスクが潜んでいる場合があります。
- 吸音・防振対策が不十分で、思ったほど音が防げない
- 安価な建材や施工手法を使用して、耐久性や安全性が低い
- アフターフォローがない、連絡が取りづらい
価格が安く見えても、「必要な機能が削られているだけ」というケースもあるため、相場感を持った上で判断することが大切です。
数社のプラン比較で適正価格を把握
1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか判断ができません。
必ず2〜3社以上の相見積もりを取りましょう。
- 各社で施工内容・素材・防音性能の違いを比較すると、自分に最適なプランが見えてきます。
- 同じ「防音室6畳」の見積もりでも、遮音等級や使用素材、仕上げ内容によって費用に大きな差が出ることもあります。
また、見積もり時には「どこまでが費用に含まれているか(設計費・防音測定・処分費用など)」を明確にしておくと、後からの追加費用を防ぐことができます。
東海エリアのマンションリフォームはベータにお任せください!

マンション特有の構造や管理規約に対応したリフォームを成功させるには、地域の特性を理解した信頼できる施工会社選びが欠かせません。
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施工前にしっかりと費用を説明し、工事中も進捗をご報告。お引き渡し後のアフターケアまで責任を持って対応いたします。
まとめ

マンションで防音室を設けるリフォームは、音の悩みを解消し、自宅での暮らしをより快適にする有効な手段です。
しかし、費用はもちろん、防音性能・換気やエアコン対策・マンション特有の規約など、注意すべきポイントが多く存在します。
特にマンションの場合は、防音の専門知識と管理規約への対応力を備えた業者選びが成功のカギとなります。
ユニット型かリフォーム型か、目的やライフスタイルに応じて最適なプランを選びましょう。
東海エリアでマンション防音リフォームをご検討中の方は、豊富な実績と地域密着のサービスが強みの「ベータ」にぜひご相談ください。
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