トタン屋根とは?特徴・メリット・デメリットを徹底解説!

「実家の倉庫が最近雨漏りする…」
「古い空き家をDIYで改修したいけど、屋根はどうすればいいんだろう?」
そんな風に思ったことはありませんか?
日本で昔から親しまれてきたトタン屋根。
最近では、そのレトロな見た目やDIYのしやすさから、若い世代を中心に人気が再燃しています。
しかし、 「トタン屋根って、結局どうなの?」 「サビやすいって聞くけど、実際は?」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、トタン屋根の基礎知識から、そのメリット・デメリット、そしてメンテナンス方法までを徹底的に解説します。
目次
トタン屋根とは?

トタン屋根の定義と歴史
トタン屋根とは、薄い鋼板に溶融亜鉛メッキを施した「トタン」と呼ばれる素材で作られた屋根のことです。
かつては安価で加工しやすい建材として、日本の住宅や倉庫などで広く普及しました。
トタン屋根の歴史は、明治時代にまで遡ります。西洋から導入された技術により、国内でトタンの生産が開始され、その耐久性と加工性の高さから急速に普及しました。特に戦後の住宅不足の時代には、安価で大量に入手できる建材として、多くの住宅に採用されました。
しかし、近年では、より耐久性や意匠性に優れた屋根材が登場したことや、トタン屋根のメンテナンスに関する知識不足から、トタン屋根を見かける機会は減少傾向にあります。
トタン屋根の構造と材料

トタン屋根の構造は、比較的シンプルです。一般的には、垂木(たるき)の上に野地板(のじいた)を敷き、その上にトタン板を重ねて葺きます。
トタン板は、重ね合わせることで雨水の浸入を防ぎます。
トタン屋根に使用される主な材料は、以下の通りです。
トタン板:
・薄い鋼板に溶融亜鉛メッキを施したもので、屋根材の本体となります。
・近年では、耐久性を向上させたガルバリウム鋼板や、塗装を施したカラー鋼板なども使用されます。
垂木:
・屋根の骨組みとなる木材で、屋根の荷重を支えます。
野地板:
・垂木の上に敷く板材で、トタン板を固定するための下地となります。
トタン屋根の種類と特徴
トタン屋根には、形状や加工方法によっていくつかの種類があります。
波板トタン:
・波状に成形されたトタン板で、安価で施工しやすいのが特徴です。
・倉庫やガレージなど、比較的簡易的な建物に多く使用されます。

角波トタン:
・波板トタンよりも波の形状が角張っており、強度が高いのが特徴です。
・工場や倉庫など、耐久性が求められる建物に使用されます。

瓦棒トタン:
・木材の棒にトタン板を巻き付けて葺く工法で、独特の意匠性があります。
・古い住宅や店舗などで見られることがあります。

金属折板(せっぱん):
・工場や体育館など大型の建物に用いられる屋根材です。
・強度や耐久性、防水性がとても高く、長期間の使用に耐えられます。

トタン屋根のメリット:知っておきたい5つのポイント

トタン屋根は、その独特な外観だけでなく、様々な実用的なメリットを備えています。
ここでは、トタン屋根が持つ代表的な5つのメリットについて詳しく解説します。
①費用対効果の高さ
トタン屋根の最大の魅力の一つは、初期費用の安さです。
他の屋根材と比較して、材料費と施工費を抑えることができます。
また、定期的なメンテナンスを行うことで、長期的に見てもコストパフォーマンスに優れた屋根材と言えるでしょう。
②軽量性
トタン屋根は非常に軽量であるため、建物への負担を大幅に軽減します。
特に地震の際には、建物の揺れを抑え、倒壊のリスクを低減する効果が期待できます。
耐震性を重視する地域や建物にとって、トタン屋根は有効な選択肢となります。
③施工の容易さ
トタン屋根は、比較的施工が容易な屋根材です。
そのため、工期を短縮することができ、人件費の削減にもつながります。
また、DIYでの施工も比較的容易であるため、自分でメンテナンスや改修を行うことも可能です。
④デザインの多様性
トタン屋根は、かつてのイメージとは異なり、現在では様々な色や形状のものが提供されています。
そのため、建物のデザインや個人の好みに合わせて、自由に選択することができます。
レトロな雰囲気からモダンなデザインまで、幅広いニーズに対応できるのがトタン屋根の魅力です。
⑤耐候性
トタン屋根は、適切なメンテナンスを行うことで、長期にわたり建物を風雨から守ります。
定期的な塗装やサビ対策を行うことで、耐久性を高め、美しい状態を維持することができます。
トタン屋根のデメリット:後悔しないための注意点

トタン屋根は、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも抱えています。
これらのデメリットを事前に把握し、適切な対策を講じることで、後悔のない屋根選びが可能となります。
遮音性・断熱性の低さ
トタン屋根は金属製であるため、遮音性や断熱性が低いというデメリットがあります。
特に、雨音が大きく響いたり、夏場は屋根が熱くなりやすく、冬場は寒くなりやすいという問題があります。
これらの問題に対しては、以下のような対策が有効です。
- 断熱材の設置:屋根裏に断熱材を設置することで、室内の温度変化を抑えることができます。
- 遮熱塗料の塗装:遮熱効果のある塗料を塗ることで、夏場の屋根の温度上昇を抑制できます。
- 遮音材の設置:屋根裏に遮音材を設置することで、雨音などの騒音を軽減できます。
サビの発生
トタン屋根の最大の敵はサビです。
特に、海岸地域や降雨量の多い地域では、サビが発生しやすくなります。
サビの発生を防ぐためには、以下のような対策が重要です。
- 定期的な塗装:定期的に塗装を行い、塗膜でトタン板を保護します。
- サビ止め塗料の使用:サビが発生しやすい箇所には、サビ止め効果のある塗料を使用します。
- こまめな清掃:定期的に屋根を清掃し、汚れや水分を除去します。
定期的なメンテナンスの必要性
トタン屋根は、定期的なメンテナンスが必須です。
特に、塗装は5年から10年を目安に行う必要があります。
メンテナンスを怠ると、サビや雨漏りの原因となり、修繕費用が高額になることがあります。
結露による劣化
トタン屋根の裏側に結露が発生することがあります。
結露はトタン屋根のサビや腐食の原因となります。
その為、換気を適切に行うことや、結露防止塗料等の使用が有効な対策となります。
強風による飛散
トタン屋根は軽量なため、強風によって飛散するリスクがあります。
台風や強風が予想される場合には、事前に屋根の状態を確認し、必要に応じて補強を行うことが重要です。
他の屋根材との比較

トタン屋根を検討する上で、他の屋根材との比較は非常に重要です。
ここでは、代表的な屋根材である瓦屋根、スレート屋根、金属屋根との比較を通じて、トタン屋根の特性をより深く理解していきましょう。
瓦屋根、スレート屋根、金属屋根との比較
瓦屋根
・耐久性が高く、断熱性・遮音性に優れる
・初期費用が高く、重量があるため耐震性に注意が必要
・和風建築に最適
スレート屋根
・比較的安価で施工しやすい
・耐久性や断熱性は瓦屋根に劣る
・定期的なメンテナンスが必要
金属屋根(ガルバリウム鋼板など)
・軽量で耐久性が高い
・トタン屋根に比べてサビに強い
・デザインの自由度が高い
・初期費用はトタン屋根にくらべると高額になる場合が多い。
トタン屋根
・初期費用が安く、施工しやすい
・軽量で耐震性に優れる
・断熱性・遮音性は低い
・錆びやすい。
用途・気候・予算に合わせた屋根材の選び方
屋根材を選ぶ際には、以下の要素を考慮することが重要です。
用途:
・住宅、倉庫、ガレージなど、建物の用途によって最適な屋根材は異なります。
気候:
・降雪量の多い地域や海岸地域では、耐久性や耐候性に優れた屋根材を選ぶ必要があります。
予算:
・初期費用だけでなく、メンテナンス費用も考慮して、長期的なコストを比較検討しましょう。
デザイン:
・建物の外観や周辺環境に調和するデザインの屋根材を選びましょう。
トタン屋根が最適なケース
- 費用を抑えたい場合
- 軽量で耐震性を重視したい場合
- DIYでのメンテナンスを検討している場合
- 倉庫や、ガレージ等の建物のばあい。
トタン屋根以外の屋根材を検討したほうが良いケース
- 断熱性や遮音性を重視したい場合
- メンテナンスの手間を減らしたい場合
- 建物のデザイン性を重視したい場合
トタン屋根のメンテナンスと注意点

トタン屋根を長く快適に使うためには、適切なメンテナンスが欠かせません。
ここでは、メンテナンスの重要性、DIYメンテナンスの注意点、そして信頼できる業者の選び方について解説します。
メンテナンスの重要性と頻度
トタン屋根のメンテナンスは、主に以下の目的で行います。
- サビの防止:サビはトタン屋根の大敵です。定期的なメンテナンスでサビの発生を抑え、屋根の寿命を延ばします。
- 雨漏りの防止:塗装の劣化や破損を放置すると、雨漏りの原因となります。定期的な点検と補修で雨漏りを防ぎます。
- 美観の維持:定期的な塗装で、トタン屋根の美観を保ちます。
メンテナンスの頻度は、屋根の状態や環境によって異なりますが、一般的には以下の目安で行うと良いでしょう。
- 定期点検:年1回
- 塗装:5年~10年に1回
- 部分補修:必要に応じて
DIYメンテナンスの注意点とプロへの依頼
トタン屋根のメンテナンスは、DIYで行うことも可能ですが、注意が必要です。
DIYメンテナンスのメリット
- 費用を抑えられる
- 自分のペースで作業できる
DIYメンテナンスの注意点
- 高所作業になるため、安全対策を徹底する
- 適切な道具と材料を準備する
- 正しい知識と技術が必要
DIYに不安がある場合や、屋根の状態が悪い場合は、プロの業者に依頼することをおすすめします。
プロへの依頼のメリット
- 安全かつ確実に作業してもらえる
- 専門的な知識と技術で、適切なメンテナンスをしてもらえる
- 保証が付く場合がある
信頼できる業者の選び方
信頼できる業者を選ぶためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 実績と評判:過去の実績や口コミを確認する
- 資格と許可:必要な資格や許可を持っているか確認する
- 見積もり:複数の業者から見積もりを取り、比較検討する
- 保証内容:保証内容と期間を確認する
- 丁寧な説明:屋根の状態やメンテナンス内容について、丁寧に説明してくれるかを確認する。
まとめ

この記事では、トタン屋根の基本から、メリット・デメリット、メンテナンス方法、そして他の屋根材との比較について詳しく解説しました。
トタン屋根は、初期費用の安さや施工の容易さ、軽量性など、多くのメリットを持つ一方で、断熱性や遮音性の低さ、サビの発生など、注意すべきデメリットも存在します。
トタン屋根を選ぶ際には、これらのメリット・デメリットを十分に理解し、建物の用途、気候、予算などを総合的に考慮することが重要です。
また、トタン屋根を長く快適に使うためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
この記事で紹介したメンテナンス方法や注意点を参考に、適切な維持管理を心がけましょう。
もし、メンテナンスや修理が必要になった場合は、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
複数の業者から見積もりを取り、比較検討することで、安心して任せられる業者を見つけることができます。
この記事が、みなさまのトタン屋根に関する情報収集の一助となれば幸いです。
トタン屋根に関してご不明な点等ございましたら、お気軽に株式会社ベータまでお問い合わせください。
専門のスタッフが誠意をもって対応させていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。